CrystalDiskInfoを開いたら「注意」と表示されていた。残り寿命の数値が低くなっているけれどどう判断すればいいかわからない——映像制作の現場では、プロジェクトデータや納品素材が保存されたSSDの健康状態は、制作環境の安定性に直結します。
CrystalDiskInfoはSSDやHDDのS.M.A.R.T.情報を読み取り、残り寿命・健康状態・温度などをわかりやすく表示してくれる無料ツールです。ただし表示される数値の意味を正確に理解していないと、本当に対処が必要な状態を見逃すリスクがあります。
この記事では、残り寿命の意味と見方・健康状態の判断基準・注意・異常が出た時の対処法まで、実務的な観点でわかりやすく解説します。
- CrystalDiskInfoの残り寿命とは?
- CrystalDiskInfoで確認できる主な情報
- CrystalDiskInfoの健康状態の見方
- SSDの残り寿命が低下する主な原因
- CrystalDiskInfoで残り寿命を見る時の注意点
- CrystalDiskInfoで「注意」と表示される条件
- CrystalDiskInfoで特に注意したいS.M.A.R.T.項目
- CrystalDiskInfoで「異常」と表示された場合の意味
- 残り寿命が少ない時に最初にやるべきこと
- SSDの残り寿命を延ばすためにできること
- HDDとSSDで健康状態の見方はどう違う?
- CrystalDiskInfoで残り寿命が表示されない場合
- CrystalDiskInfoの温度表示も確認する
- CrystalDiskInfoの残り寿命に関するよくある質問
- CrystalDiskInfoの残り寿命はSSD交換とバックアップ判断の目安になる
CrystalDiskInfoの残り寿命とは?

SSDの健康状態を確認するための目安
CrystalDiskInfoの「残り寿命」は、SSDがどれだけの書き込み耐久性を使い切っているかを示す指標です。SSDにはTBW(Total Bytes Written:総書き込み可能量)というメーカーが設定した耐久値があり、実際の書き込み量との比較から残り寿命が算出されます。
DaVinci Resolveのキャッシュ生成・レンダリング出力・プロジェクトの自動保存など、映像制作環境ではSSDへの書き込みが日常的に大量発生します。残り寿命を定期的に確認することが安定した制作環境の維持につながります。
S.M.A.R.T.情報をもとに表示される数値
S.M.A.R.T.とは、ストレージが自己診断した結果を記録・報告する仕組みです。SSDは内部でデータ書き込み量・エラー発生数・温度などを継続的に記録しており、CrystalDiskInfoはこの情報を読み取って「残り寿命」として表示します。
残り寿命はあくまで参考値として見る
残り寿命の数値は、あくまでもメーカーの耐久値に基づく推定値です。残り寿命が50%でも翌日に故障することもあれば、0%を下回っても問題なく動作し続けるSSDも存在します。数値だけで故障時期を確定することはできません。
HDDでは残り寿命が表示されない場合がある
残り寿命の概念はフラッシュメモリの書き込み回数制限に基づくSSD固有の指標です。HDDは磁気記録方式のためTBWの概念がなく、CrystalDiskInfoで残り寿命が表示されない場合があります。HDDの場合は不良セクタ数や回転数などの別の指標を確認します。
CrystalDiskInfoで確認できる主な情報

健康状態
CrystalDiskInfoの画面上部に大きく表示される最重要指標です。S.M.A.R.T.情報の各項目を総合的に判断して4つの状態で表示されます。
正常
S.M.A.R.T.情報の各値が正常範囲内にあり、現時点で大きな問題が検出されていない状態です。緑色で表示されます。
注意
一部のS.M.A.R.T.値がしきい値に近づいている、または特定の項目で異常な値が記録されている状態です。黄色で表示されます。
異常
S.M.A.R.T.値がメーカー設定のしきい値に達している状態です。赤色で表示されます。
不明
接続方法や製品の仕様によりS.M.A.R.T.情報が正常に取得できていない状態です。グレーで表示されます。
温度
現在のストレージの動作温度が表示されます。SSDの一般的な動作推奨温度は0〜70℃程度ですが、製品によって異なります。高温が続く状態は寿命に影響します。
電源投入回数
PCの電源を入れた累積回数です。使用頻度の目安になります。
使用時間
ストレージが動作した累積時間数です。電源投入回数と合わせて使用状況を把握する指標になります。
回転数
HDDの場合に表示される1分あたりの回転数(RPM)です。SSDには回転部品がないため表示されません。
S.M.A.R.T.情報一覧
画面下部にS.M.A.R.T.の各項目が一覧表示されます。各項目には「現在値」「最悪値」「しきい値」「生の値」の4列があり、現在値がしきい値を下回ると健康状態が「注意」以上に変化します。
CrystalDiskInfoの健康状態の見方

CrystalDiskInfoの健康状態の正確な見方と判断基準を理解しておくことで、適切なタイミングで対処できます。
「正常」は大きな問題が検出されていない状態
すべてのS.M.A.R.T.値が正常範囲内であることを示します。ただし「正常」は「故障しない」を保証するものではありません。正常表示のSSDが突然故障する事例は報告されており、定期的なバックアップは「正常」でも継続して行う必要があります。
「注意」は故障の兆候がある可能性を示す状態
特定のS.M.A.R.T.項目でしきい値に近い値・または問題を示す値が検出されている状態です。「注意」が表示されたら、すぐにデータのバックアップを最優先で行ってください。まだ使用できる状態でも、いつ読み書きが困難になるかわからないため、早めの対処が必要です。
「異常」は障害が発生している可能性が高い状態
S.M.A.R.T.値がメーカーの定めたしきい値に到達している状態です。すぐに使えなくなるとは限りませんが、障害が進行している可能性が高く、読み書きができるうちに即座にデータを別のストレージにコピーする必要があります。
「不明」は情報を取得できていない状態
USB接続の外付けケース経由・一部の接続方式・特定の製品ではS.M.A.R.T.情報が取得できず「不明」と表示されることがあります。この場合は健康状態の判断ができないため、別の接続方法またはメーカー公式ツールでの確認を検討してください。
正常でも突然故障する可能性がある点に注意する
S.M.A.R.T.はストレージの自己報告機能であり、すべての故障を事前に検知できるわけではありません。特にNANDフラッシュの突発的な劣化は予告なく発生することがあります。定期バックアップはストレージの状態に関わらず継続することが原則です。
SSDの残り寿命が低下する主な原因
書き込み回数の増加
SSDのNANDフラッシュメモリは書き込み回数に上限(P/Eサイクル)があります。書き込みが多いほど残り寿命が消費されます。DaVinci Resolveのキャッシュ生成・レンダリング出力・仮想メモリへの書き込みは特に大量の書き込みを発生させます。
長期間の使用による劣化
書き込み量が少なくても、長期間の使用によってNANDフラッシュの電荷保持能力が低下します。データを電荷として保存するSSDは、時間とともに自然放電が進むため、長期未使用での保管も状態に影響することがあります。
高温環境での使用
高温はNANDフラッシュの劣化を加速させます。PC内部の冷却が不十分な環境での長時間使用は残り寿命の低下に影響する可能性があります。サーマルスロットリングが発生している環境では特に注意が必要です。
空き容量不足による負荷
SSDは空き容量が少ないと、書き込み前に既存データの消去処理(ガベージコレクション)が頻発し、特定のセルへの書き込み集中が起きやすくなります。Cドライブの使用率が90%を超えた状態での使用は残り寿命の消費を加速させる可能性があります。
頻繁な大容量データの保存や削除
4K・6K映像素材のコピー・削除・再コピーを繰り返す作業は書き込み量を増加させます。キャッシュドライブとして使用しているSSDは特に書き込み量が多くなる傾向があります。
CrystalDiskInfoで残り寿命を見る時の注意点
残り寿命はメーカーや製品によって表示基準が異なる
残り寿命の表示はSSDメーカーがS.M.A.R.T.情報としてどのように定義・記録するかによって異なります。Samsung・Western Digital・Crucial・Kioxiaなど、メーカーによって算出方法が統一されていません。
同じ数値でも製品ごとに意味が変わる場合がある
Aというメーカーの残り寿命50%とBというメーカーの残り寿命50%が、実際の使用可能期間として同じ意味を持つとは限りません。残り寿命の数値は製品内の相対的な指標として捉えることが適切です。
残り寿命だけで故障時期を正確に予測することはできない
残り寿命が0%に近づいても使用できるSSDもあれば、50%の状態で突然故障するケースもあります。残り寿命は故障の可能性を示す参考値であり、確定的な予測ツールではありません。
「正常」表示でもバックアップは必要
健康状態「正常」はあくまで現在の状態を示すものです。注意: 「正常」だからバックアップが不要という判断は危険です。すべての重要データは定期的に外付けストレージまたはクラウドにバックアップする習慣を維持してください。
「注意」表示なら早めにデータ保護を優先する
「注意」が出た時点でデータのバックアップを完了させてから、交換の検討に移ることが実務的な対応順序です。バックアップより先にSSDの診断や設定変更を行うことは優先順位として誤りです。
CrystalDiskInfoで「注意」と表示される条件
CrystalDiskInfoの注意表示が出る条件と各S.M.A.R.T.項目の意味を把握しておくと、どのような状況で注意が発生するかを理解できます。
SSDの残り寿命の現在値が低下している
残り寿命に関連するS.M.A.R.T.項目の現在値がしきい値以下になると「注意」に変化します。この変化は製品によってどの数値で発生するかが異なります。
「代替処理済みのセクタ数」が増えている
不良になったセクタを予備領域(リザーブ領域)に置き換えた回数が記録されている項目です。この値が増加傾向にある場合は物理的な劣化が進んでいる可能性があります。
「代替処理保留中のセクタ数」が増えている
読み書きエラーが発生したものの、まだ代替処理が完了していないセクタの数です。0以外の値が記録されている場合はデータの読み書きに支障が出るリスクがあります。
「回復不能セクタ数」が増えている
データの読み取りができなかったセクタの数です。この値が増加している場合はデータ消失のリスクが高まっています。
初期設定では一部項目の生の値が1以上で注意になる場合がある
CrystalDiskInfoのデフォルト設定では、特定の項目の生の値が1以上になるだけで「注意」と判定されるものがあります。設定の「高度な機能」から判定基準のカスタマイズが可能ですが、初心者は初期設定のままで使用することを推奨します。
CrystalDiskInfoで特に注意したいS.M.A.R.T.項目
05 代替処理済みのセクタ数
壊れたセクタを予備領域へ置き換えた回数
SSDおよびHDDにおいて最も重要な項目のひとつです。ID「05」で表示され、不良になったセクタを正常な予備セクタに置き換えた累積回数が「生の値」に記録されます。
増加傾向がある場合は故障リスクに注意する
この値が0であれば問題ありませんが、増加している場合は物理的な劣化が進行していることを示します。過去の最悪値と現在値を比較して増加傾向があるかどうかを確認することが重要です。
C5 代替処理保留中のセクタ数
エラーがありながら処理待ちになっているセクタ数
ID「C5」で表示され、読み取りエラーが発生して代替処理の候補になっているセクタの数です。次回書き込み時に正常に書き込めれば解消されることがありますが、継続する場合は劣化の兆候です。
読み書き不良の兆候として確認する
この値が0以外であれば、特定のデータが読み書きできなくなるリスクがあります。映像制作データのバックアップを速やかに実行してください。
C6 回復不能セクタ数
データ回復ができなかったセクタ数
ID「C6」で表示され、読み取り操作を繰り返しても正常に読み取れなかったセクタの数です。
重要データの損失リスクに注意する
この値が1以上になった場合は、すでにデータが読み取れないセクタが存在することを意味します。即座にデータのバックアップを実行し、ストレージの交換を検討してください。
SSD残り寿命に関する項目
製品によって名称や表示内容が異なる
SSDの残り寿命はメーカーによって「Media Wearout Indicator」「Percent Lifetime Used」「SSD Life Left」「Wear Leveling Count」など異なる名称で記録されます。
寿命判断の補助情報として確認する
これらの項目は単独で判断するのではなく、05・C5・C6などのセクタ系の項目と合わせて総合的に確認することで、より正確な状態把握ができます。
| ID | 項目名 | 確認ポイント | 対処の優先度 |
|---|---|---|---|
| 05 | 代替処理済みのセクタ数 | 生の値が増加傾向にないか | 高 |
| C5 | 代替処理保留中のセクタ数 | 生の値が0以外でないか | 高 |
| C6 | 回復不能セクタ数 | 生の値が0以外でないか | 緊急 |
| 製品依存 | 残り寿命関連 | 現在値のしきい値との差 | 中 |
CrystalDiskInfoで「異常」と表示された場合の意味
現在値がメーカー指定のしきい値に達している状態
S.M.A.R.T.の各項目には「現在値」と「しきい値」があり、現在値がしきい値以下になった項目がある場合に「異常」と表示されます。これはメーカーが「この状態以下になったら障害リスクが高い」と定義した境界値です。
すぐに使えなくなるとは限らない
「異常」が表示されてもストレージがすぐに動作を停止するわけではありません。引き続き読み書きできる状態が続くこともあります。しかしいつ認識不可能になるかわからない状態であるため、即座の対処が必要です。
読み書きできるうちにバックアップを行う
「異常」が表示されたら、他のすべての作業を後回しにして即座にデータのバックアップを実行してください。読み書きできる状態が突然終わるリスクがあります。DaVinci Resolveのプロジェクトファイル・素材・書き出し済みデータを優先的にコピーします。
ストレージ交換を早めに検討する
バックアップが完了したら、新しいSSDへの交換を計画します。「異常」の状態での継続使用はデータ消失リスクを受け入れながら使い続けることになります。
「注意」より安全とは限らない点に注意する
「注意」は特定のS.M.A.R.T.値がしきい値に近づいている状態、「異常」はしきい値に達した状態ですが、「注意」でも深刻なセクタ異常が記録されていれば実質的には「異常」より危険なケースもあります。健康状態の表示だけでなく各S.M.A.R.T.項目の内容を合わせて確認することが重要です。
残り寿命が少ない時に最初にやるべきこと
重要データをすぐにバックアップする
残り寿命が低下しているSSDに対して最初に行うべき対処はデータのバックアップです。ストレージ交換の検討やソフトの診断よりも先に、データの保護を完了させることが最優先です。
写真・動画・仕事用ファイルを優先して保存する
バックアップする際は優先順位をつけて進めます。再入手できないデータ(クライアントから受け取った素材・完成した納品データ・プロジェクトファイル)を最初にコピーしてください。
外付けHDDやSSDへコピーする
最低限、外付けストレージへのコピーを速やかに完了させます。大容量の映像素材がある場合は書き込み速度の速い外付けNVMe SSDへのコピーが時間効率の観点で有効です。
クラウドストレージにも保存する
外付けストレージへのバックアップに加えて、重要なプロジェクトファイルとデータはクラウドにも保存することを推奨します。外付けストレージ自体の故障リスクを考慮した2重バックアップが理想的です。
バックアップ後に新しいSSDへの交換を検討する
バックアップが完了した後に、OSのクローン作成ツールまたはクリーンインストールで新しいSSDに環境を移行します。交換作業はバックアップの確認が取れてから行ってください。
SSDの残り寿命を延ばすためにできること
SSDの残り寿命の管理と寿命を延ばすための実践的な方法として、以下の対策が有効です。
ストレージの空き容量に余裕を持たせる
SSDは空き容量が少ないと書き込み効率が低下し、特定のセルへの書き込みが集中しやすくなります。容量の20〜30%以上の空き容量を常時確保することを目安にしてください。DaVinci Resolveのキャッシュが同一ドライブに設定されている場合は特に余裕が必要です。
不要な大容量ファイルを整理する
使わなくなった過去プロジェクトの素材・レンダリングキャッシュ・ダウンロードフォルダの大容量ファイルを定期的に整理することで空き容量を維持できます。
高温環境での使用を避ける
40〜50℃を超える動作温度が継続する環境はSSDの劣化を加速させる可能性があります。夏場の密閉された部屋でのレンダリング長時間実行・通気口がふさがれた環境での使用は特に注意が必要です。
PC内部の冷却環境を整える
PCケース内のエアフロー確保・ホコリの定期清掃・M.2 SSD用のヒートシンクの設置などがSSDの温度管理に有効です。映像制作機のように長時間高負荷で動作させる環境では冷却対策が特に重要です。
不要な書き込みを減らす
DaVinci Resolveのキャッシュ保存先を専用のキャッシュドライブ(OSドライブとは別のSSD)に設定することで、OSドライブへの書き込みを分散できます。ブラウザキャッシュの保存先変更も一定の効果があります。
定期的に健康状態を確認する
月1回程度CrystalDiskInfoを起動して健康状態と残り寿命を確認する習慣を持つことで、異常の早期発見につながります。問題が深刻になる前に対処できる可能性が高まります。
HDDとSSDで健康状態の見方はどう違う?
HDDは不良セクタや回転数を確認する
HDDでは代替処理済みセクタ数(05)・代替処理保留中セクタ数(C5)・回復不能セクタ数(C6)が特に重要な項目です。加えて「シークエラーレート」「スピンアップ時間」なども故障の前兆として確認します。
SSDは残り寿命や書き込み量を確認する
SSDでは残り寿命関連の項目・セクタ系の項目(05・C5・C6)に加えて、総書き込み量(Total Bytes Written)の記録項目を確認します。書き込み量とメーカー公開のTBWを比較することで実際の使用状況を把握できます。
HDDでは異音も故障兆候になる
HDDはモーターとヘッドが物理的に動作する構造のため、「カタカタ」「カリカリ」「コツコツ」といった異常な音が故障の前兆になることがあります。異音が発生した場合は即座にデータのバックアップを行ってください。
SSDは突然認識しなくなる場合もある
SSDはHDDと異なり物理的な可動部がないため異音による事前兆候がありません。S.M.A.R.T.上で「正常」を示しながら突然認識しなくなるケースがHDDより多く報告されています。
どちらも定期バックアップが重要
HDDとSSDいずれも故障リスクはゼロではありません。ストレージの種類や健康状態にかかわらず、重要データの定期的なバックアップが唯一の確実なデータ保護手段です。
CrystalDiskInfoで残り寿命が表示されない場合
HDDでは残り寿命項目がない場合がある
HDDにはフラッシュメモリの書き込み回数制限がないため、SSD固有の残り寿命項目が存在しない製品がほとんどです。HDDの場合はセクタ系の項目と使用時間・温度を確認します。
SSDでも製品によって表示されないことがある
残り寿命の記録方法はメーカーの実装によって異なります。一部のSSDでは残り寿命に相当するS.M.A.R.T.項目が実装されていないか、CrystalDiskInfoが正しく解釈できない形式で記録されていることがあります。
USB接続や外付けケース経由では情報取得できない場合がある
外付けHDDや外付けケースに内蔵したSSDをUSB接続した場合、ケースのブリッジチップがS.M.A.R.T.情報の通過をブロックするケースがあります。この場合は「不明」と表示されます。
別の接続方法やメーカー公式ツールで確認する
USB接続での情報取得ができない場合は、SATA接続またはM.2スロットへの直接接続で確認するか、SSDメーカーが提供する公式診断ツール(Samsung Magician・WD Dashboard・Crucial Storage Executiveなど)を使用してください。SSDメーカー別の公式診断ツールと確認方法も参考になります。
健康状態やS.M.A.R.T.項目もあわせて見る
残り寿命が表示されない場合でも、健康状態の表示・セクタ系の項目(05・C5・C6)・温度・使用時間の確認でストレージの状態をある程度把握できます。
CrystalDiskInfoの温度表示も確認する
温度はストレージ状態を把握する補助情報
CrystalDiskInfo上部に表示される温度は、S.M.A.R.T.が報告する現在の動作温度です。SSDの一般的な推奨動作温度は0〜70℃程度です(製品によって異なります)。通常の室温環境でのアイドル時は30〜40℃程度が目安になります。
高温が続くと寿命低下につながる可能性がある
長時間60℃を超える動作温度が続く環境は、NANDフラッシュの劣化を加速させる可能性があります。DaVinci Resolveの長時間レンダリング中にCrystalDiskInfoで温度を確認することで、冷却状態の把握ができます。
温度表示は参考値として見る
S.M.A.R.T.の温度センサーの精度はストレージごとに異なります。実際の温度との差異がある場合もあるため、温度表示は単独で判断するのではなく健康状態や使用状況と合わせて参考情報として活用します。
過去の温度変化と比較して異常を判断する
同じ使用環境でも以前より温度が高くなっている場合は、PC内部のホコリ蓄積・冷却ファンの劣化・エアフローの悪化が原因の可能性があります。月単位で温度の変化を確認する習慣が有効です。
冷却不足が疑われる場合はPC内部の通気を見直す
M.2 SSDの場合はヒートシンクの設置・マザーボードへの取り付け位置の確認・ケース内エアフローの改善が有効です。2.5インチSSDの場合はケーブルがストレージの通気を妨げていないかを確認してください。
CrystalDiskInfoの残り寿命に関するよくある質問
CrystalDiskInfoの残り寿命は正確?
残り寿命はSSDが自己記録したS.M.A.R.T.情報を元にした推定値であり、故障時期を正確に予測するものではありません。メーカーが設定したTBWとの比較に基づく相対的な指標として参考にすることが適切です。残り寿命が高くても突然故障するケースもあるため、数値のみに依存した管理は推奨できません。
残り寿命が何%になったら交換すべき?
残り寿命の数値だけで交換時期を判断することは困難です。一般的には残り寿命が10〜20%を下回り始めたら交換の準備(新しいSSDの用意・環境移行の計画)を始めることを検討してください。ただし「注意」や「異常」が表示された場合、残り寿命の数値にかかわらず即座のバックアップと交換検討が優先されます。
「注意」と表示されたSSDは使い続けてもよい?
「注意」が表示されても直ちに使用停止にする必要はありませんが、まずデータのバックアップを完了させた上で使用を継続することが前提です。特にC5(代替処理保留中のセクタ数)やC6(回復不能セクタ数)が原因の「注意」は早急な対処が必要です。
「正常」ならバックアップしなくても大丈夫?
健康状態が「正常」でもバックアップは必要です。S.M.A.R.T.はすべての故障を事前検知できるわけではなく、「正常」から突然故障するケースがあります。定期的なバックアップはストレージの状態にかかわらず継続してください。
HDDにも残り寿命は表示される?
HDDはフラッシュメモリの書き込み回数制限がないため、多くの場合でSSD向けの残り寿命項目は表示されません。HDDの健康状態は代替処理済みセクタ数・代替処理保留中セクタ数・回復不能セクタ数・使用時間を中心に確認します。
CrystalDiskInfoとCrystalDiskMarkの違いは?
CrystalDiskInfoはS.M.A.R.T.情報を読み取ってストレージの健康状態・残り寿命・温度を確認するツールです。CrystalDiskMarkはストレージの読み書き速度(シーケンシャル・ランダム)を計測するベンチマークツールです。どちらも同じ開発者によるストレージ管理ツールですが機能が異なります。SSDの状態を把握するにはCrystalDiskInfo、速度を確認するにはCrystalDiskMarkを使います。また、MotionWorks.JPではストレージ管理と映像制作環境の安定運用に関する実務的な情報も発信しています。
CrystalDiskInfoの残り寿命はSSD交換とバックアップ判断の目安になる
残り寿命は故障時期を断定するものではない
CrystalDiskInfoの残り寿命はSSDの書き込み耐久性の消費状況を示す参考値であり、いつ故障するかを確定的に予測するツールではありません。数値の低下は注意のサインとして受け取り、バックアップと交換準備の判断材料として活用することが適切です。
健康状態とS.M.A.R.T.情報をあわせて確認する
健康状態の表示だけでなく、05・C5・C6のセクタ系項目を合わせて確認することでより正確な状態把握ができます。残り寿命が高くてもセクタ系に問題がある場合は対処が必要です。
「注意」や「異常」が出たら早めにバックアップする
「注意」または「異常」が表示されたら、他の作業より先にデータのバックアップを完了させることが最優先の対処です。バックアップが完了してから交換・修理の計画を進めてください。
大切なデータを守るために定期的な確認を習慣化する
月1回程度CrystalDiskInfoを起動して健康状態・残り寿命・温度・セクタ系項目を確認する習慣を持つことで、異常の早期発見と適切な対処につながります。映像制作データは代替不可能なものが多いため、ストレージの状態管理は制作環境の維持において欠かせない習慣です。

