IMC TOKYO 2009に行ってきました。
今回は展示ブースは少ないながら、興味深い講演が数多く行われています。『RED Digital Cinema – 4Kは、はじまりにすぎない。』として、RED Digital Cinema社の革新的指導者テッド・シュロビッツ氏が特別講演を行いました。
会場は盛況で、デジタルシネマに関する関心の高さが伺えます。日本語での挨拶に始まり、『普通のプレゼンテーションを聞きにきたひとは満足しないかもしれないが、映画を楽しむような人たちにとって、とても面白い内容に違いない。』と述べ、実際のシューティングされた映像をふんだんに使ったプレゼンテーションを行っていました。プロジェクターが2kしかないことを残念に思っていたようで、『これよりも数倍大きなスクリーンで4kで上映ざれた場合を想像してください。』と言っていました。
現在使われているフィルム、TV、CMリストの紹介から、現状のRed oneの紹介、そしてSCARLET、EPICの紹介に及びます。現在Red oneを所持している、もしくは今後Red oneを購入するユーザーのためのオーナーシップアップグレードの紹介(Red Oneを購入価格で下取りし、EPICが発売後、安価なアップグレードを行う。)等も行っていました。
また、『これはデジタルビデオカメラではない、デジタルモーションピクチャーカメラだ。』として、現存するHDカメラとの違いをアピール。また、方向性も単に動画を撮影するだけでなく、写真として、連続してで動画をとるような物だとする見解を述べています。実際、SCARLET、EPICをモックアップで紹介し、今後の展開として、フィルムカメラとしての645、617などの中判、大判カメラへの展開(イメージセンサーがとんでもなく大きくなりますが…)も語っていました。実際のフッテージを見て、広告、コンテンツとしてのREDカメラで撮影された物はの訴求力はかなりあります。今までフィルムで撮影を行ってきた物をすべてREDでリプレイスしようとしています。ここが、REDと他のカメラとの違いです。
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ちょっと脱線ですが、監督や撮影技師、映像編集者はなぜフィルムにこだわるのでしょうか?答えは簡単です。彼らは絵を描きたいんです。1枚1枚動いている絵を残したいんです。芸術家は絵画でペンを走らせ思いを表現します。彫刻家は石を削りその想いを表現します。映画は総合芸術、コラボレーションなんです。監督の想いを撮影技師、照明技師が表現し、演技者が演技で表し、編集によって時間をコントロールします。すばらしい監督の映画はどこをとっても1枚の絵として完成しています。映像もいろいろ加工してるとどんどん絵になっちゃうんですよ(笑)…そんなことを思い出しました。
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閑話休題。実際4Kのままレンダリングせずにプレビューを行う環境として(4Kのまま)、DVS CLIPSTER 4Kの紹介がありました。
DVS CLIPSTER 4Kを使うことでRED RAWファイルを直接読み変換することなくリアルタイムで再生しながらイメージコントロールが変更可能です。また、これと同様のことをデスクトップ上で行うRed Rocketが紹介されましたが、実機、詳細についてのコメントはありませんでした。
その他、○○○○監督が映っているクリップが紹介されたり、結構面白かったのですが、テッド氏が何回もクリップの再生中、照明を消してと言っていたのが印象に残りました。プロジェクターの低いコントラストでは実際のクリップの表現力が落ちてしまうので会場の方はもう少し気を使った方が良かったのかなぁと思いました。
あと、通訳の方が…ホラー映画の紹介のときに『見たくないな…』とつぶやいていました…
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