「このPCでDaVinci Resolveは快適に動くか」「SSDを交換した効果が本当に出ているか」「CPUのスコアが他の構成と比べてどのくらいか」——こうした疑問に数値で答えてくれるのがベンチマークです。
感覚ではなく数値で性能を把握することで、パーツ交換の効果確認・買い替えの判断・ボトルネックの特定が正確にできるようになります。映像制作環境では特に、CPUのマルチコア性能・GPUのレンダリング性能・ストレージの読み書き速度が制作の快適さに直結するため、ベンチマークの読み方を知っておく価値があります。
この記事では、ベンチマークの基本的な意味から代表的なソフトの使い方、スコアの正しい読み方まで、制作現場で使える判断基準とともに解説します。
ベンチマークとは?性能を数値で比較するための指標

ベンチマークの基本的な意味
ベンチマーク(benchmark)とは、コンピューターの性能を測定するためのテストおよびその結果スコアのことです。特定の処理を実行させてその速度や精度を計測し、数値として出力します。この数値を比較することで、異なるPCやパーツの性能差を客観的に評価できます。
パソコンにおけるベンチマークの役割
PCの性能は「速い・遅い」という感覚だけでは正確に評価できません。ベンチマークはCPU・GPU・ストレージ・メモリそれぞれの処理能力を標準化されたテストで計測し、誰が測っても同じ条件で比較できる数値を提供します。
スコア化することで性能差を比較しやすくなる
同じ「Core i7搭載」でも第10世代と第14世代では性能が大きく異なります。ベンチマークスコアを使えば世代・メーカー・価格帯を超えて性能を横断的に比較できます。DaVinci Resolveの推奨スペックと現在の環境のスコアを照合することで、「快適に動くかどうか」の判断も数値ベースで行えます。
PC購入・パーツ交換・不具合確認に役立つ理由
新しいPCを購入する前に候補モデルのスコアを調べる、SSD交換後に速度向上を数値で確認する、原因不明のパフォーマンス低下でスロットリングが発生していないか診断する——こうした用途でベンチマークは実用的なツールになります。
パソコンでベンチマークを行う目的

CPUやGPUなど各パーツの性能を確認する
購入したPCが仕様通りの性能を発揮しているかを確認できます。特にBTOや中古PCでは、カタログスペックと実際の動作性能が乖離しているケースがあります。ベンチマークを実行することで実測値として性能を把握できます。
パソコン全体の処理能力を測定する
個別パーツではなくPC全体の総合的な処理能力を測定できるソフトもあります。日常的な作業・マルチタスク・ビジネス用途でどの程度快適に動作するかを総合スコアで確認できます。
ゲームや動画編集が快適に動くか確認する
DaVinci Resolveで4K編集が滑らかに動くか、After Effectsのプレビュー再生が止まらないかを使用前に数値で予測できます。ベンチマークスコアをソフトの推奨スペックと照合することで、実際に使う前の環境適合性を判断できます。
ストレージの読み書き速度を確認する
映像素材の読み込み速度・キャッシュの書き出し速度・プロジェクトの保存速度はストレージのシーケンシャル読み書き性能に直結します。SSDに交換した後に実際に速度が向上しているかを数値で確認できます。
カスタマイズや買い替え前後の性能差を比較する
メモリ増設・GPU交換・SSD換装の前後でベンチマークを実行することで、投資対効果を数値で確認できます。「体感で速くなった気がする」ではなく、実際に何%向上したかを把握できます。
ベンチマークで測定できる主な性能

CPU性能
シングルコア性能
1つのコアが処理できる速度を測定します。ゲームや一部の映像系ソフトは1コアに処理を集中させる設計のものが多く、シングルコア性能がレスポンスの速さに直結します。
マルチコア性能
全コアを使った並列処理性能を測定します。DaVinci Resolveのレンダリング・動画エンコード・Blenderのレンダリングはマルチコアを最大限活用するため、この数値が作業時間の短縮に直結します。
GPU・グラフィック性能
3D描画性能
3Dオブジェクトのレンダリングや複雑なシェーダー処理の速度を測定します。Fusionページでの3D合成やBlenderのビューポートレンダリングに影響します。
ゲーム向け性能
実際のゲームエンジンに近い条件での描画性能を測定します。3DMarkなどのゲームベンチマークではフレームレートとして結果が出力され、実際のゲームプレイ環境の予測に使えます。
ストレージ性能
SSDやHDDの読み込み速度
大容量の映像素材ファイルの読み込み速度に直結します。シーケンシャルリード性能が高いほど、4K・6K・RAWファイルの読み出しが速くなります。
書き込み速度やランダムアクセス性能
レンダリングキャッシュの書き出し・プロジェクトの自動保存・素材のコピー速度に影響します。ランダムアクセス性能はOS全体のレスポンスとアプリ起動速度に関わります。
メモリ性能
転送速度や応答性
メモリの帯域幅と遅延(レイテンシ)を測定します。DaVinci ResolveのFusionページやノイズリダクション処理ではメモリ帯域幅がプレビュー速度に影響します。XMPプロファイルの有効・無効による差をベンチマークで確認することも有効です。
パソコン全体の総合性能
日常作業やビジネス用途での快適さ
Web閲覧・文書作成・表計算・メール処理など、実際の業務に近い処理のシミュレーションで総合スコアを算出します。PCMark 10などがこの測定に対応しています。
CPUベンチマークとは

CPUの処理能力を数値化するテスト
CPUベンチマークは、CPUに対して特定の演算処理・圧縮処理・レンダリング処理などを実行させ、完了までの速度またはスループットをスコアとして数値化します。同じ条件で測定することで、異なるCPU同士の性能を公平に比較できます。
Cinebenchで測定できる内容
Cinebenchは映像・3D制作ソフトで知られるMaxon(Cinema 4Dの開発元)が提供するCPUベンチマークソフトです。実際のCinema 4Dレンダリングエンジンを使ってCPU性能を測定するため、映像制作・3D制作の現場での実用性能に近い数値が得られます。DaVinci ResolveやBlenderを使う映像制作環境では、Cinebenchのスコアが最も実務に近い性能指標になります。
マルチコアスコアが重要になる作業
動画編集やエンコード
H.264・H.265・ProResなどのエンコード処理はCPUの全コアを使います。マルチコアスコアが高いほど書き出し時間が短縮されます。Core i9とCore i7のマルチコアスコアの差が、実際のレンダリング時間の差として現れます。
3Dレンダリング
BlenderのCPUレンダリング・Cinema 4Dのレンダリングはコア数に比例して処理が速くなります。マルチコアスコアを比較することで、同じ時間でどれだけ多くのフレームを処理できるかを予測できます。
複数アプリの同時利用
DaVinci Resolveでレンダリングキューを回しながら、After Effectsで別のシーンを編集するといったマルチタスク環境では、コア数とマルチコア性能が安定した動作を支えます。
シングルコアスコアが重要になる作業
ゲーム
多くのゲームは処理の多くを1〜4コアに集中させます。シングルコアのクロック速度が高いほどゲームのフレームレートが向上するケースが多くあります。
軽い日常作業
Web閲覧・メール・文書作成などの軽い処理はシングルコア性能に依存します。レスポンスの速さ・アプリの起動速度に直結します。
一部のアプリケーション処理
After EffectsのリアルタイムプレビューやPhotoshopのフィルター適用など、並列化されていない処理はシングルコア性能の影響を強く受けます。
代表的なベンチマークソフト
代表的なベンチマークソフトの特徴と選び方を把握しておくと、用途に合わせた測定が効率よく行えます。
Cinebench
CPU性能の測定に向いた定番ソフト
映像・3DCG業界で標準的なCPUベンチマークです。無料で使用でき、WindowsとMacの両方に対応しています。最新版のCinebench 2024は、より長時間の負荷テストに対応しており、サーマルスロットリングの発生有無も確認できます。
シングルコアとマルチコアを比較できる
1回の測定でシングルコアスコアとマルチコアスコアの両方を取得でき、同じCPUでも冷却環境やクロック設定による差を確認できます。
PCMark
日常作業やオフィス用途の総合性能を測定できる
Futuremarkが提供する総合ベンチマークソフトです。CPU・GPU・ストレージ・メモリを組み合わせた実際の作業シミュレーションで総合スコアを算出します。
Web閲覧・文書作成・写真編集などの快適さを確認できる
ビジネス用途や日常作業向けPCの性能評価に適しています。PCMark 10は無料版でも基本的なテストが実行できます。
3DMark
GPUやゲーム性能を測定できる
GPU性能・3D描画性能の測定に特化したベンチマークソフトです。DirectX 12・Vulkan対応のテストが含まれており、最新のGPUアーキテクチャに対応した測定が可能です。
3D描画性能を比較したい場合に向いている
DaVinci ResolveのFusionページでの3D処理性能の目安として、3DMarkのスコアが参考になるケースがあります。無料版でも主要なテストが使用できます。
CrystalDiskMark
SSDやHDDの読み書き速度を測定できる
ストレージの読み書き速度をシーケンシャル・ランダムの両方で測定できる無料ソフトです。Windows向けで、日本語に対応しています。NVMe SSD・SATA SSD・HDDを問わず測定でき、外付けストレージの速度確認にも使えます。
ストレージ交換前後の比較に役立つ
SSDをHDDから換装した前後・NVMe SSDに変更した際の速度向上を数値で確認できます。DaVinci Resolveのキャッシュ先ドライブの性能確認にも活用できます。
AIDA64
CPU・GPU・メモリ・ストレージなど幅広く確認できる
システム情報の詳細取得と安定性テストに優れたソフトです。有料(試用期間あり)ですが、システム全体の情報をほぼすべて把握できます。
温度や消費電力の確認にも活用できる
長時間レンダリング中の温度推移の監視・サーマルスロットリングの発生確認・電源ユニットへの負荷確認など、映像制作環境の安定性診断に役立ちます。
| ソフト名 | 測定対象 | 対応OS | 料金 |
|---|---|---|---|
| Cinebench | CPU | Windows・Mac | 無料 |
| PCMark 10 | 総合性能 | Windows | 無料(基本) |
| 3DMark | GPU・グラフィック | Windows | 無料(基本) |
| CrystalDiskMark | ストレージ | Windows | 無料 |
| AIDA64 | 総合・温度・消費電力 | Windows | 有料(試用あり) |
Windows向けのおすすめベンチマークソフト
PCMark 10で総合性能を測定する
PC全体の日常的な作業性能を確認したい場合はPCMark 10が最適です。Web・文書作成・ビデオ会議・写真編集など実際の作業に近いシミュレーションでスコアが算出され、ビジネス用途でのPCの快適さを数値で把握できます。
3DMarkでグラフィック性能を測定する
GPU性能の確認・グラフィックボード交換の効果測定・ゲーム性能の目安確認にはSteamから無料ダウンロードできる3DMarkが適しています。「Time Spy」テストはDirectX 12性能を、「Fire Strike」テストはDirectX 11性能を測定します。3DMarkを使ったGPUベンチマークの詳しい活用方法も参考になります。
CrystalDiskMarkでストレージ速度を測定する
無料でダウンロードでき、操作が簡単なストレージ速度測定ソフトです。測定ボタンを押すだけでシーケンシャルリード・ライト・ランダムアクセス速度が一覧で表示されます。NVMe SSDであれば読み込み3,000MB/s以上の数値が確認できるかどうかがひとつの目安になります。
IsMyHdOKでHDDやSSDの状態を確認する
ストレージの健全性をS.M.A.R.T.情報をもとに診断するソフトです。速度だけでなく、ストレージの劣化・不良セクターの兆候を確認したい場合に使用します。制作データを保管するドライブの定期診断に活用できます。
用途に合わせて複数ソフトを使い分ける
1本のソフトですべてを測定できるわけではありません。CPU性能はCinebench、ストレージ速度はCrystalDiskMark、GPU性能は3DMarkと、測定対象ごとに適切なソフトを使い分けることで、より正確な環境把握ができます。
Mac向けのおすすめベンチマークソフト
AmorphousDiskMarkでストレージ速度を測定する
CrystalDiskMarkのMac版として知られる無料ソフトです。内蔵SSDと外付けストレージの読み書き速度を同じ形式で測定できます。MacのThunderbolt接続のストレージと通常のUSB接続の速度差を確認する際に役立ちます。
AmorphousMemoryMarkでメモリ性能を確認する
Macのメモリ帯域幅と応答速度を測定できるソフトです。AppleシリコンMacではCPUとGPUがメモリを共有するユニファイドメモリ構成のため、DaVinci ResolveやFinal Cut Proの動作に関わるメモリ性能の把握に使えます。
Blackmagic Disk Speed Testで動画編集向けのディスク性能を確認する
DaVinci Resolveを開発するBlackmagic Designが提供する無料ソフトです。映像制作向けのストレージ速度測定に特化しており、特定の映像フォーマット(ProRes・RAWなど)でリアルタイム再生が可能かどうかを視覚的に確認できます。Mac App Storeから無料でダウンロードできます。
Macの用途に合わせて測定項目を選ぶ
Final Cut Pro・DaVinci Resolve・Motion中心のワークフローであれば、ストレージ速度(Blackmagic Disk Speed Test)とメモリ性能(AmorphousMemoryMark)の2つを確認するだけで実務判断に必要な情報が揃います。
ベンチマークスコアの見方
スコアが高いほど性能が高い目安になる
基本的にはスコアが高いほど処理性能が高いことを示します。ただし同じソフトのバージョンで比較することが前提です。Cinebench R23とCinebench 2024はスコアの数値体系が異なるため、バージョンをまたいだ直接比較はできません。
単体スコアだけでなく比較対象を見る
スコアが10,000点だとわかっても、それが高いのか低いのかは比較対象なしには判断できません。同じソフトで測定した他のCPU・GPUのスコアと照合することで初めて意味を持ちます。
同じCPUやGPUでも構成によって結果が変わる
同じCore i7搭載PCでも、メモリ容量・冷却性能・電源設定・電源ユニットの品質によってスコアに差が出ます。スコアを「そのCPUの固定値」として見るのではなく、「その構成における測定値」として捉えることが重要です。
ランキング機能で相対的な性能を確認する
CinebenchやGeekbenchにはオンラインのスコアランキング機能があります。自分の環境のスコアを他のユーザーの結果と比較することで、同クラスのCPUと比べて正常な性能が出ているかを確認できます。ベンチマークソフトの一覧とランキング比較も参考になります。
用途に対して十分な性能か判断することが重要
スコアの高低よりも「自分の用途に対して十分かどうか」が実用的な判断基準です。DaVinci Resolveで4K ProRes編集を快適に行うための目安スコアと、自分の環境のスコアを照合することが具体的な判断につながります。
Cinebenchの基本的な使い方
Cinebenchをダウンロードしてインストールする
Maxonの公式サイトまたはMicrosoft StoreからCinebench 2024(最新版)をダウンロードします。Windows・Mac両対応で無料で使用できます。インストール後にアプリを起動します。
利用規約に同意して起動する
初回起動時に利用規約の確認画面が表示されます。内容を確認して「Accept」をクリックするとメイン画面が表示されます。
CPU Multi Coreを実行する
メイン画面の「CPU(Multi Core)」を選択して「Run」をクリックします。全コアを使ったレンダリングテストが開始されます。完了まで数分かかり、終了後にマルチコアスコアが表示されます。注意: テスト中はCPU使用率が100%に達します。ノートPCは電源アダプタに接続し、他のアプリを閉じた状態で実行してください。
CPU Single Coreを実行する
続けて「CPU(Single Core)」を選択して「Run」をクリックします。1コアのみを使ったテストが実行され、シングルコアスコアが表示されます。
測定結果をRankingで比較する
画面上部の「Ranking」タブを開くと、自分のスコアと世界中のユーザーの測定結果が比較表示されます。同じCPUの他ユーザーのスコアと比べて大きく乖離している場合は、冷却不足・電力制限・バックグラウンドアプリの影響が疑われます。
Your SystemでCPU名やコア数を確認する
「Your System」タブでは測定に使用されたCPU名・コア数・スレッド数・動作クロックが表示されます。意図したCPUが認識されているかをここで確認できます。
ベンチマークを実行する前の注意点
不要なアプリを閉じてから測定する
バックグラウンドで動作しているアプリはCPU・メモリ・ストレージのリソースを消費します。ブラウザ・クラウド同期ソフト・常駐アプリをすべて終了した状態で測定することで、実際の性能に近いスコアが得られます。
ノートPCは電源に接続して実行する
バッテリー駆動のノートPCは省電力モードが自動的に適用され、CPUのクロックが制限されることがあります。電源アダプタを接続し、電源管理の設定を「高パフォーマンス」または「バランス」に設定してから測定してください。
冷却環境を整えておく
PC内のホコリが溜まっている状態でベンチマークを実行すると、熱によるスロットリングが発生してスコアが実力より低く出ることがあります。定期的な清掃とケース内のエアフローを確認してから測定することを推奨します。
測定中は他の作業をしない
ベンチマーク実行中に他のアプリを操作するとリソースが分散され、正確なスコアが得られません。測定中はPCから離れて処理の完了を待ちます。
複数回測定して平均的な結果を見る
1回の測定結果は偶発的な要因に影響されることがあります。同じテストを2〜3回実行し、結果が安定していることを確認することで信頼性の高いスコアが得られます。
高温時はスコアが下がる可能性がある
CPU温度が95℃を超えるとサーマルスロットリングが発生し、クロックが強制的に下げられてスコアが低下します。AIDA64やHWMonitorで温度を監視しながら測定を行うと、スロットリングの発生有無を確認できます。
用途別に見るベンチマークの活用方法
ゲーミングPCの性能確認
GPUベンチマークとゲーム別スコアを確認する
3DMarkの「Time Spy」(DirectX 12対応ゲーム向け)または「Fire Strike」(DirectX 11)を実行し、スコアをオンラインランキングで同GPUの結果と比較します。スコアが同GPUの平均より20%以上低い場合は、冷却不足・GPUドライバーの問題・電源容量不足が疑われます。
動画編集・配信用PCの性能確認
CPUマルチコア性能とストレージ速度を見る
DaVinci Resolveを使う環境ではCinebenchのマルチコアスコアとCrystalDiskMarkのシーケンシャルリード速度の両方を確認します。4K ProRes編集のリアルタイム再生には、ストレージのシーケンシャルリード速度が500MB/s以上(NVMe SSDなら2,000MB/s以上が理想)であることが目安のひとつになります。注意: 必要な速度はコーデック・解像度・フレームレートによって異なります。使用するコーデックの仕様と照合して判断してください。
ビジネスPCの性能確認
PCMarkなどで日常作業の快適さを確認する
PCMark 10のEssentialsスコア(Web閲覧・ビデオ会議・アプリ起動)が4,100以上、Productivityスコア(表計算・文書作成)が4,500以上であれば日常業務での快適な動作が期待できます。
※上記の数値はPCMark 10の一般的な目安です。実際の推奨スコアはFuturemarkの公式サイトで確認してください。
ストレージ交換後の速度確認
CrystalDiskMarkで交換前後の差を比較する
HDDからNVMe SSDへの換装後にCrystalDiskMarkを実行することで、読み書き速度の向上を数値で確認できます。HDD(約100〜150MB/s)からNVMe SSD(2,000〜7,000MB/s)への換装では劇的な数値の変化が確認できます。
中古PCや買い替え前の性能確認
現在のPC性能を数値で把握する
中古PCを購入した際にベンチマークを実行することで、スペック表の数値通りの性能が出ているかを確認できます。中古PCのベンチマーク確認と性能評価の方法も参考にしながら、現在の環境のスコアを新しい候補PCのスコアと比較することで買い替えの費用対効果を判断できます。
ベンチマーク結果を見るときの注意点
スコアだけでPCの使いやすさは決まらない
ベンチマークスコアはあくまで特定の処理性能を示す数値です。操作のレスポンス・冷却音の大きさ・ディスプレイの色再現性・周辺機器の互換性などは数値に現れません。スコアを参考にしながら実際の使用環境に近い条件で判断することが重要です。
CPU・GPU・メモリ・ストレージのバランスを見る
CPUスコアが高くても、ストレージが遅ければDaVinci Resolveのプロジェクト読み込みに時間がかかります。GPUが強力でも、VRAMが不足すればノイズリダクションが止まります。1つのパーツだけを評価するのではなく、システム全体のバランスを確認することが実務的な判断につながります。
冷却性能や電源設定によって結果が変わる
同じCPUでも高性能クーラーを使った環境と純正クーラーの環境ではブーストクロックの維持時間が変わり、スコアに差が出ます。スコアの比較には測定環境の条件を揃えることが重要です。
ノートPCは省電力設定でスコアが下がる場合がある
バッテリー駆動中や省電力プランが適用されている状態では、CPUのTDPが制限されてスコアが20〜40%低下することがあります。正確な性能を確認するには電源接続・高パフォーマンスモードに設定した状態で測定してください。
ゲーム性能は実際のプレイ環境も確認する
3DMarkのスコアが高くても、実際のゲームでは解像度・グラフィック設定・APIの違いによってフレームレートが変わります。ベンチマークスコアは目安として使いながら、実際にゲームを起動してフレームレートを確認することを推奨します。MotionWorks.JPでは映像制作環境のパフォーマンス最適化についても実務目線で解説しています。
ベンチマークに関するよくある質問
ベンチマークは無料で使える?
Cinebench・CrystalDiskMark・3DMark(基本版)・PCMark 10(基本版)・Blackmagic Disk Speed Testはいずれも無料で使用できます。より詳細なテスト項目が必要な場合は有料版もありますが、日常的な性能確認には無料版で十分な情報が得られます。
ベンチマーク中にパソコンへ負荷をかけても大丈夫?
適切な冷却環境が整っていれば問題ありません。ベンチマークはCPU・GPUを意図的に高負荷で動作させるテストです。ただし冷却が不十分な状態での長時間テストは熱スロットリングを引き起こす可能性があります。温度監視ツールを併用して、CPU温度が90℃を大きく超えないことを確認しながら実行することを推奨します。
CPUベンチマークとGPUベンチマークの違いは?
CPUベンチマーク(Cinebenchなど)はCPUの演算処理速度を、GPUベンチマーク(3DMarkなど)はグラフィックス処理性能を測定します。DaVinci Resolveのレンダリング時間を改善したい場合はCPUベンチマーク、カラーグレーディングのプレビュー速度を改善したい場合はGPUベンチマークが参考になります。
ベンチマークスコアが低い原因は?
主な原因として、サーマルスロットリング(冷却不足)・省電力設定によるクロック制限・バックグラウンドアプリによるリソース消費・ドライバーの問題・XMPプロファイルが無効なことによるメモリ性能の低下が挙げられます。不要なアプリを閉じ、電源設定を高パフォーマンスに変更した状態で再測定することで原因を切り分けられます。
ベンチマークを何回測定すればよい?
同じテストを2〜3回実行し、スコアが安定していることを確認することを推奨します。1回目と3回目でスコアが大きく異なる(10%以上の差)場合は、サーマルスロットリングや一時的なシステム負荷の影響が疑われます。
スコアが高ければゲームは必ず快適に動く?
必ずしもそうではありません。3DMarkのスコアが高くても、特定のゲームでは最適化の問題・VRAM容量の不足・CPUがボトルネックになるケースがあります。ベンチマークスコアはあくまで参考値として使い、実際のゲームでのフレームレートで最終確認することを推奨します。
ベンチマークはパソコン性能を客観的に確認するために役立つ
CPU・GPU・ストレージなどの性能を数値で把握できる
感覚ではなく数値でPC性能を把握することで、パーツ交換の効果確認・買い替えの判断・ボトルネックの特定が正確に行えます。DaVinci Resolveや映像制作ソフトの推奨スペックと自分の環境のスコアを照合することが、快適な制作環境構築の第一歩です。
用途に合ったベンチマークソフトを選ぶことが大切
CPU性能はCinebench、ストレージ速度はCrystalDiskMarkまたはBlackmagic Disk Speed Test、GPU性能は3DMark、総合性能はPCMarkと、測定対象に合ったソフトを使い分けることで必要な情報を効率よく収集できます。
スコアは比較と判断材料として活用する
スコアの絶対値よりも「何と比較してどう違うか」が重要です。候補CPUのスコア・同GPUの平均スコア・交換前のスコアとの比較を通じて、具体的な判断に活用してください。
PC購入やパーツ交換の目安としてベンチマークを活用する
新しいPCの購入前・メモリやSSDの増設後・グラフィックボードの交換時にベンチマークを実行する習慣を持つことで、制作環境への投資対効果を継続的に確認できます。数値で環境を管理することが、作業を止めない安定した制作環境の維持につながります。

