メディアページ クリップ属性
プロジェクトに追加されたクリップにはそれぞれ固有の属性があります。
メディアプールのクリップを右クリックして表示される「クリップ属性」でビデオとオーディオ、タイムコード、クリップ名などを再定義します。
「クリップ属性」はメディアページの他にもカラーページや編集ページなど、ほとんどのページで使用することができます。タイムラインのクリップを右クリックして変更したり、複数のクリップの属性を同時に変更することもできます。
「クリップ属性」には「映像」「音声」「TC」「名前」の4つのパネルがあります。
クリップ属性の変更
「クリップ属性」は複数のクリップの属性を一度に変更できます。 メディアプールにある複数のクリップをShiftキーやCtrl/Commandキーを押しながらクリックするか、クリップをドラッグして囲み選択します。
選択したクリップを右クリックし「クリップ属性」を選択します。 編集する属性のパネルを開き、変更を加えると複数のクリップに適用するためのチェックボックスが表示され、自動的にボックスがオンになります。
「OK」をクリックすると複数のクリップに同じ属性が適用されます。
タイムラインに編集されたクリップを右クリックして「クリップ属性」で編集もできます。
映像パネル
映像パネルは、ビデオフレームレート、データレベル、ビデオのサイズ、優先フィールド、スーパースケールなどビデオに関する項目を変更できます。
ビデオフレームレート
通常ムービーは内部のデータでフレームレートが解釈されます。フレームレートが異なる場合や手動で調整するときは、メニューで1〜120 fpsを選択するか、カスタムで1〜32,000 fpsまでを指定できます。
データレベル
データレベルが正しく解釈されていない場合は、手動で「自動」「ビデオ」「フル」のいずれかを選択します。
ピクセルアスペクト比
ドロップダウンから手動でピクセル縦横比を割り当てることができます。
イメージ反転(横/縦)
元のイメージが反転している場合に「イメージ反転」を使い、縦横それぞれ別々に反転できます。ステレオ3Dでカメラリグを反転している場合やステディカムのリグが逆の場合などに使用します。
カラーページの「サイズ変更」の「イメージを反転」とは別のパラメータです。
入力サイズ設定プリセット
入力サイズ設定プリセットでプリセットを選択して割り当てることができます。プリセットはカラーページの「サイズ変更」で作成できます。
優先フィールド(フィールドドミナンス)
デフォルトは「自動」です。どちらのフィールドを優先かを自動的に判断します。フィールドの優先順位が異なる場合は手動で選択します。
インターレース解除を有効にする:(Studioのみ)
「プロジェクト設定」>「マスター設定」>「ビデオフィールド処理を有効にする」が「オフ」の場合のみ有効で、インターレースを解除(デインターレース)します。
チェックボックスをオンにすると「プロジェクト設定」>「イメージスケーリング」>「デインターレース品質」の設定が使用されます。
プロジェクト設定について詳しくはこちら
アルファモード
クリップにアルファチャンネルが埋め込まれている場合のみ利用できます。(ProRes 4444、QuickTime Animation、OpenEXR、TIFFシーケンスなど)アルファチャンネルの有効/無効、プリマルチプライド/ストレートを選択できます。
アルファチャンネルについて詳しくはこちら
スーパースケール(高品質のアップスケーリング)
Ver.15で搭載された機能です。標準のリサイズフィルタよりも高品質のアップスケーリングが必要な場合「スーパースケール」オプション使用します。「編集」「Fusion」「カラー」ページの拡大/縮小処理と異なり、実際のソースメディアの解像度を高めます。
2倍、3倍、4倍のオプションと品質を調整するためのシャープネスとノイズリダクションのオプションがあります。スーパースケールは等倍で処理する必要があり、可変量では適用できません。例えばSDメディアをUHDタイムラインに編集する場合などに使用し、高度なアルゴリズムで拡大処理します。
ソースメディアによってはシャープネスが「中」の場合微妙な効果になることがあります。その場合はシャープネスを「高」に設定します。ノイズやグレインにも影響するため、ノイズリダクションで改善します。
全てのアスペクトでクリップのシャープネスを維持するには、シャープネスの設定を「低」や「中」に設定し、カラーページのノイズリダクションツールで不要なノイズを除去し調整します。
スーパースケールは高負荷の処理のため、リアルタイムで再生ができない可能性があることに注意してください。
これを回避するには、高品質で拡大する必要のあるすべてのメディアを一度レンダリングします。タイムラインに配置したクリップのスーパースケールを有効にして「レンダリング時のソースの解像度」と「ファイル名はソース名を使用する」オプションを使い個別のクリップとしてレンダリングし再度読み込みます。
音声パネル
音声パネルは、オーディオチャンネルフォーマットとチャンネル割り当てを変更できます。
トラックの追加
上部のコントロールでクリップにトラックを追加できます。タイムラインにクリップを編集すると追加されたトラックが表示されます。
フォーマット
ポップアップでトラックのフォーマットを選択します。クリップにエンベデッド(埋め込み)されたチャンネル数よりも少ないフォーマットを選択すると、割り当てできないチャンネルは無効になります。
- モノラル:単独のチャンネルを持つ1チャンネルのトラックです。
- ステレオ:ステレオの左右(LR)のチャンネルを持つ2チャンネルのトラックです。
- 5.1:5.1サラウンドミックスに対応する6チャンネルのトラックです。
- 7.1:7.1サラウンドミックスに対応する8チャンネルのトラックです。
- 適応(アダプティブ):最大24のモノラルオーディオチャネルを、24レーンまで保持できるトラックです。
トラック数
クリップに追加するトラック数を指定します。追加ボタンで、指定した数のトラックを追加します。
追加ボタン
クリップにトラックを追加します。
オーディオトラックとチャンネルリスト
下のリストでトラックとチャンネルを再マッピングします。
フォーマット
オーディオトラックのフォーマットを指定します。モノラル、ステレオ、5.1、7.1、アダプティブが利用できます。
ソースチャンネル:
チャンネルのソースをドロップダウンで選択します。 エンベデッドは元のファイルのチャンネルで、リンクは自動や手動で同期したチャンネルです。ミュートを選択すると無音になります。
トラック:
クリップのトラック名です。タイムラインに編集するときに対応するトラックに挿入されます。
トラック内のチャンネル:
トラックのチャンネル名です。サラウンドでは対応するスピーカーを表示します。
トラック削除ボタン:
トラック上にポインタを置くとゴミ箱アイコンが表示され、ボタンをクリックするとトラックが削除されます。
編集ページのオーディオについて詳しくはこちら
TCパネル
「クリップ属性」ではタイムコードを変更したり、オフセットを補正できます。元のソースメディアは変更せず、プロジェクトのクリップのタイムコードを変更します。
現在のフレームのタイムコード
現在表示しているフレームに新しいタイムコードを割り当てます。
スレートタイムコード
メディアにあるプライマリのタイムコードとは別に、外部同期で使用する2番目のスレートタイムコードを設定できます。
スレートタイムコードはデジタルスレート(カチンコ)に表示されるタイムコードをショットの最初に収録することで複数カメラの同期に使用できます。
デジタルスレートはiPhoneやiPad、Androidなどのスレートアプリでも代用できます。
スレートタイムコードを設定するには、メディアプールのクリップで、スレートのタイムコードが表示されているフレームを表示し、画面に表示されているタイムコードを「スレートタイムコード」に記入します。
オフセットソースタイムコード
タイムコードのオフセットを補正できます。
名前パネル
名前パネルでは「クリップ名」と「リール名」を設定できます。
クリップ名
デフォルトは「ファイル名」と同じです。手動で入力するか「%」を入力し「メタデータ変数」を使用できます。 メタデータ変数についてはこちらをご覧ください。
リール名を設定
コンフォーム作業で必要な「リール名」は「プロジェクト設定」>「一般オプション」>「リール名を使用してアシスト」で設定します。デフォルトではこのチェックボックスはオフの状態で、リール名は空白です。
クリップ属性でリール名を抽出した後は「ユーザー定義」になり「プロジェクト設定」の「リール名を使用してアシスト」のオプションを変更しても、クリップは自動的に更新されなくなります。
ソースクリップ ファイルパス名:
メディアファイルのあるパスの一部からリール名を抽出します。ファイル名やフォルダ名から「リール名」を抽出するためにパターンフィールドを使用します。
パターン:
ソースクリップのパス名からリール名を抽出する方法です。デフォルトは「*/%R/%D」で、実データの親フォルダの名前をリール名として使います。
パターンを組み合わせてファイル名やフォルダ名の一部からリール名を抽出することができます。
メディアプールフォルダ名:
メディアプールのビンの名前からリール名を取得します。
ソースクリップのエンベデッドメタデータ:
メディアファイルにリール名が埋め込まれている場合に使用します。 CinemaDNGやFinal Cut Proで作成されたQuickTime、DPXファイルなどはリールネームヘッダーデータを内包できます。
ソースファイル名:
一般的にリール番号がない場合は、ソースクリップのファイル名を使用します。
ユーザー定義:
クリップ属性でクリップのリール名を手動で変更した場合のみ使用できます。 「ユーザー定義」はリール名として任意の文字列を入力します。
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