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Canon Logで撮影するCM制作実践セミナーリポート

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ライブ感が満載な、夏の終わりのお祭りです。
 
2012年8月31日 株式会社アスク主催でCanon Logで撮影するCM制作実践セミナーが開催されました。撮影スタジオでの状況をライブで中継し、実際にCM制作の流れを見ながら紹介する形式でUstreamでも配信されました。後日アーカイブでも見ることができるそうです。
 
セミナーのUstreamはこちら!
 
USTREAM: Canon Logで撮影する CM制作実践セミナー

 
富士ソフトアキバプラザ 5Fホールで行われ、定員210名のうちスタジオ観覧は30名。当日に抽選でしたが、開場後は長蛇の列です。筆者は見事ハズレました。(泣)
 

 
スタジオ観覧希望は開演ギリギリまで並んでいました。
 

 
丸い部分がセミナールーム。スクリーンを外すと全面窓になるようです

コンセプト

CMは基本的に現場スタイルで制作し、香盤表やコンテも作成されています。オーディションから企画、音楽、衣装までこのセミナー用に用意されており、振り付けもメイクも入っています。ちなみにダンサーは女子大生!スチル用レンズを装着したC300とKiPro Miniは女子でも持って踊れるコンパクトさです!
 

 
女子カメラ推しにしては機材がコアすぎますが…(笑。
 
今回のセミナーの総合プロデューサーである能勢氏は、NABで実際の照明と同じような感覚で操作できるAutodesk Smoke2013のリライティングのデモを見て衝撃を受けたそうです。AJA製品とコンポジットやカラコレまで出来るAutodesk Smoke、階調を維持できるCanon Logとの組み合わせが面白く、三社合同のセミナーを企画したと語っています。また、ファイルベースになったことで納期までの時間が短縮され「もう現場でキーイングまでしないと間に合わない!」といった危急的課題も背景にあったそうです。

 

 
会場の様子。 写真だと狭そうですがかなり広いです。席に電源があるのがすごくうれしい!
 
撮影と編集は交わらない部分があります。実際に現場に行けない編集マンも多く、撮影の現場を一貫して見れることは非常に良い機会だと思います。通常のCM撮影は出演者やクライアントの権利的な関係でネットワーク上で公開されることはほとんどありません。(プロモーションビデオ等はメーキングとしてDVD等に収録されることはあります。)
 

 
スタジオ撮影風景が会場の大画面とUstで配信されました。
 

ワークフロー

全体の流れはCanon C300で撮影、KiPro MiniとKiPro Rackで収録し、信号管理をQTAKE HDで行い、合成をAutodesk Smokeで行うというワークフローです。終了時にオフラインの状態(データ自体はオンラインで十分使えます)まで完成させるという行程です。
 
今回のワークフローが必ずしも正解という訳ではありません。一つの方法の提案であり、その組み合わせは無限にあります。例えば、質問にあったようなLUT(ルックアップテーブル)を現場で適用することや、制作スタイルや予算、現場スタッフによって柔軟に組み替える必要があります。
 
 Logで収録し、ビューイングLUTを用いる意味は現場で最終的な色の統一的な見解を得ることです。グレーディングに入る場合はまた別ですが、Smokeを用いる利点は最終段で確認できる色と同じ色を再現できる点にあります。(データ的に正確にLOGをビデオに変えることは重要ですが、Smokeを利用することで最終的なルックとなるリファレンスを現場で作ることが出来ます。)
 

撮影

デジタルスレート
撮影本番ではデジタルスレート(カチンコ)が使われました。実際の現場(特にフィルム)ではスレート尺がもったいないということでスレートを入れた後、カメラを止めてしまう場合があります。ファイルベースになると別ファイルになってしまうので、これではあまり意味がありません。必ずスレートを入れて、カメラをスタートしてから抜く必要があります。こうすることでファイルの先頭に必ずスレートが映っていることになります。
 
iPadやiPhone、その他タブレットを使用したデジタルスレートがいくつか出ています。(検索でSlateやClapperで出ます。)スレートは板、クラッパーは音を出す物の意味です。フィルムのムービーカメラは基本的に同録ができません。同録の場合は外部録音装置が使われ、クラッパーが使用されます。編集ではカチンコの打ったときの画と当たった音を同期させます。(今でもDSLRでは音声入力が弱いので、音声と画を別に記録する場合があります。)
 
iPadアプリでは、Movie SlateQR-Slateなどがあります。
 
C300について
Canon Logの固定の仕方はCANON LOG 設定ガイドをみるとわかりますが、シネマ設定からシネマ固定を「入」にします。
 

CANON LOG 設定ガイド

 
フィルターを現場で換えるのは手間なのでC300にNDが内蔵されているのは大きな利点です。また、WiFiリモートでタブレットやノートPC、スマートフォンなどでカメラ調整が可能になります。
 

CANON C300 WiFiリモート

 

収録

KiPro Mini、KiPro RackではC300の24Pに対応し、カメラのスタートストップで収録の開始停止が行えます。KiProを使用し収録をProResに統一することで、いろいろなコーデックに頭を悩まさずにワークフローを簡素化することができます。
 
ioXTはThunderbolt接続のインアウトのデバイスです。一番大きな特徴はThunderboltが2ポートある点で、デイジーチェーン出来ることです。受けが1ポートだとすぐに埋まってしまいネットワークやストレージなど複数デバイスの接続ができません。ioXTはSmoke2013やその他様々なアプリケーションで使用することが出来ます。(Autodesk SmokeではAJA製品しか公式サポートされていません。)
 
QTAKE HDではHD-SDIで接続しリアルタイムでLUTを適用し、キーイング、カラーコレクションを行え収録できます。現場のHD-SDIをそのまま扱えるので非常に便利です。特にファイルベースのワークフローで問題になっているのがファイル管理をどうするかという点です。撮影部は意外と忙しいので一カ所にデータを集めてしまうことは、ある意味これらの解決策になるのかもしれません。CDLを書き出すことでカラコレデータを他のアプリケーションで読み込むことが出来ます。
 

 
QTAKE HDの画面。ボタンが大きく、現場での操作性に優れれいます。
 

 
LUTを適用してリアルタイムのキーイングも可能です。
 
現場でのオンセットのカラーリング
グレーディングをする側の意見としては、現場で色作りをした方がやりやすく、データーをすぐに反映出来るためスタジオでの作業時間を短縮できたり、よりクリエイティブな作業に集中することが出来るようになります。
 

編集

バックグラウンドの実景は福島スカイパークで使用許可を取り撮影され、レンズと角度、高さを合わせ仮合成をしながらマッチングを取っています。今回、合成編集ではAutodesk Smoke 2013のプレリリース版が使用されています。2013から中間素材がProRes対応になり、ProResで作業をする場合はトランスコードの必要がありません。MacBookProで動作し撮影現場でそのままオンライン品質での合成編集が可能になります。
 
セミナーのデモではConnectFXを用いたノードベースのコンポジティングが披露されましたが、もう一つのSmokeの利点はバーチカルエディティングです。いわゆる縦方向の編集で、タイムライン上にレイヤーを重ねることが出来ます。わかりやすく言うとAfterEffectのレイヤーをタイムライン上で積み上げるような感じです。タイムライン上にバックグラウンド、その上にグリーンバックの素材を乗せAX(アクシス)メニューからキーヤーに入ることが出来ます。
 

 
ConnectFXでのコンポジティング。Actionを使用することで3Dオブジェクトの合成ができます。
 
株式会社アスクの取り扱う映像機器製品は魅力的な製品が多数あります。今回はあまり深くは紹介されませんでしたが、ストレージシステムのSPACEや、LTOアーカイブシステムのCache-A、デジタルアセットマネージメントのCatDV、Telestream製品などがあります。
 
一方Canonは先日、Cinema EOS C100を発表しています。フルサイズCMOSセンサー搭載で、内部の映像記録方式はAVCHDですがデュアルスロットが標準装備です。従来C300であったCanon Logに加え、ワイドDRガンマが設定できます。SDI端子はないもののHDMIにタイムコードと2-3プルダウンマーカーが重畳出力され、SDIと同等の非圧縮デジタル信号を出力できます。今回のようなワークフローをよりコンパクトに運用できる可能性が高まりました。
 

キヤノン:映画制作機器 CINEMA EOS SYSTEM|EOS C100|概要

 

ファイルベースワークフローになり簡単に操作できる反面、データのインアウトで時間的、人的ロスが発生しやすくなっています。様々なツールをユーザーが組み合わせ効率化を図る必要がありそうです。

 

主催:株式会社アスク
 
共催:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
 
   オートデスク株式会社
 
   AJA Video Systems Inc.
 
企画:StudioHelp株式会社
 
場所:富士ソフト アキバプラザ アキバホール

 

作品完成後はインターネットにアップされ、9月21日に今回の撮影に関するセミナーが開催されるようです。詳細は後日発表される予定です。

 

 

 

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