Lion Serverでのファイル共有はAFP、SMB、WebDAVがサポートされています。WindowsではAFP接続が出来ないのでSMBもしくはWebDAVで接続することになります。
ローカルネットワーク内でのWindowsとの接続(SMB)
Mac側の設定
Lion Serverのサーバーアプリケーションのファイル共有から共有したいフォルダーを選択します。フォルダーをダブルクリックか「共有ポイントを編集」からWindowsクライアントと共有(SMB)にチェックを入れます。
システム環境設定のネットワーク>詳細からWINSタブを選択し、NetBIOS名に自分のコンピュータ名、ワークグループをWORKGROUPに設定します。
Windows側の設定
ネットワークアダプタを選択し、プロパティのTCP/IPv4から、詳細設定>WINSタブのNetBIOS設定を「NetBIOS over TCP/IPを有効にする」にチェックをします。(MacのSMBはNetBEUIでなくTCPで接続されます。)
コントロールパネルのシステムから「コンピュータ名、ドメインおよびワークグループの設定」のワークグループ名をMacと同じにします。(通常はWORKGROUP)
コントロールパネル>管理ツール>ローカルセキュリティポリシー>ローカルポリシーのLAN Manager認証レベルを「LMとNTLMを送信する(ネゴシエートした場合に…)」に変えます。管理ツールがない場合レジストリエディタでHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Lsa のLmCompatibilityLevel の値を 3 から 1 へ変更します。
ローカルネットワーク内にサーバーがある場合、ワークグループを表示することでWindowsのネットワークにサーバーマシンが表示されるようになります。ユーザー名、パスワードはローカルアカウント、オープンディレクトリいずれも使用することが出来ます。
OSX 10.7.2以降でLion の SMB サーバに接続するときの認証の問題が解決されていますのでユーザー名の前にドメイン名を追加する必要が無くなりました。
Windows7で記録した資格情報を消去したい場合はコントロールパネルの資格情報マネージャーで管理することが出来ます。
インターネットでのWindowsとの接続(WebDAV)
SMBでインターネットでアクセスする場合、ローカルアカウントしか通りませんでした。またルーターを越えたアクセスをする場合ポートを解放する必要があります。一方、WebDAVはHTTPを利用しているのでポート80もしくはHTTPSのポート443を解放するだけでシェアすることが出来ます。
Mac側の設定
SMBと同様にLion Serverのサーバーアプリケーションのファイル共有から共有したいフォルダーを選択します。フォルダーをダブルクリックか「共有ポイントを編集」からiOSデバイスと共有(WebDAV)にチェックを入れます。
デフォルトではダイジェスト認証になっています。
HTTPを利用しているのでWebサーバーを起動する必要があります。ルーターやファイアーウォールを使用している場合はポート80(セキュア443)を解放します。
http://サーバー名(もしくはIP)/webdav/で接続することが出来ますが、多くのwebブラウザーではそのままアクセスすることは出来ません。(ファイルブラウザーもしくはクライアントを利用することになります。)
Windows側の設定
Windows標準でのWebDAV接続の場合、クセと制限があるため使い辛くなっています。
- Windows7ではSSL接続を使用しない基本HTTP認証によるアクセスがセキュリティで制限されているため、レジストリを変更する必要がある。
- Active DirectoryのユーザアカウントはSSLを利用したベーシック認証を有効にする必要がある。
- WebDAVクライアントの転送サイズ制限 FileSizeLimitInBytesをレジストリ値 最大にしても4Gしかない。
- WebClientのプロパティーを手動もしくは無効で再起動する必要がある。
そのためOSの機能のネットワークプレイスの追加やネットワークドライブの割当を使用せずにWebDAV接続します。
クライアントソフトを利用する。
CyberduckやCarotDAVといったWebDAVクライアントソフトを使用します。FTP的な使い方が出来るだけでなく、オープンディレクトリアカウントやファイル制限に捕われずにファイル共有することができるようになります。
NetDriveはネットワークドライブの割当と同様の機能を持つソフトウェアです。WebDAVやFTPをドライブに仮想的にマッピングすることでローカルのドライブのように動作することが出来ます。1ライセンス$29ですが、ホームユースの場合は無料で使用することが出来ます。
数クリックでWebDAVサーバーを構築できるのはOSX Serverの大きなアドバンテージに思えます。
コメント
Lion Server を色々と運用していますが,ちょっと突然に,ごめんなさい,質問ですが,iOS 端末以外からの DAV アクセスって,貴社ではできてますでしょうか?
私も色々とやってますが,FinderでもWindowsでも,蹴られて接続できません・・・
何か,ヒントなどございましたら,教えていただければ幸いです。
Macからの場合はファインダー>移動>サーバーへ接続からhttp://サーバーアドレス/webdav/で接続できます。WindowsからはDDDAVのようなクライアントソフトを利用し接続しています。(軽量でFFFTPのように動作します。)この場合もサーバーアドレスの後ろにwebdavを付けます。
突然の不躾な内容にもかかわらず,ご回答いただきまして,本当にありがとうございます。
当社はコンピュータ屋で,ほとんどのことは処理しているのですが(マシン自体も NAT ではなく,グローバルな固定 IP で設定しています)iPhone からはアクセスできるのですが,一般的な Linux で構築した apache+DAV のように接続ができません。
なにか,クライアントの情報(HTTP_USER_AGENT など)を判断して Lion server が蹴っているような気がしてなりません・・・
もう少し頑張ってみますが・・