新機能 Color FX
DaVinci Resolve 19では、「フェイス修正の改善」、背景のみをぼかすことができる「後景のデフォーカス」やフィルムルックを作成するための「フィルム ルック クリエーター」といった新しいResolve FXが含まれています。
いままであった機能を使うより、高品質かつ短時間で効果的なエフェクトを作成することができるようになります。
DaVinci Resolve19の新機能 まとめ
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後景のデフォーカス(Defocus Background )
「後景のデフォーカス」は、背景のみをぼかすことができ、被写界深度が浅い撮影を模倣します。この効果自体には、前景と後景の被写体を分離する機能はなく、別途マジック マスクやパワー ウィンドウなど別のツールを使用してマスクを作成する必要があります。
その後、「後景のデフォーカス」を同じノードに適用するか、ノードを追加してマスクを接続してから「後景のデフォーカス」を適用します。
「後景のデフォーカス」はエフェクトライブラリの「ResolveFX スタイライズ」に分類されています。
マスク調整
「マスク調整」では、焦点が合った領域(前景)とぼかしたい領域(後景)を分離するマスクを調整できます。
- マスクのプレビュー: このボックスをチェックすると、白黒のマスクのプレビューが表示されます。前景が白い領域で後景が黒い領域(ぼける部分)です。マスクを調整するときに有効にすると便利です。
- マスクを反転: このボックスをチェックすると、マスクが反転します。
- マスクのブラー: マスク周囲のブラーのサイズを調整します。 マスクをぼかすと前景と背景をスムーズにブレンドできます。
- マスクのコントラスト:マスクのブラーをかけたとき、焦点が合った部分とぼかした部分の強さをコントラストで制御します。
- ピボットの調整::マスクの焦点が合った部分とぼかした部分の中間点を設定します。
マスクのブラー、マスクのコントラスト、ピボットの調整をうまく使い、エッジの境界を拡張したり、縮小するなどして効果のかかる部分とかからない部分との馴染みを調整します。
エフェクト
ぼかした領域のエフェクトの強さを設定します。
- ブラー: ぼかした領域に適用するぼかしのサイズと量を調整します。
- 彩度:ぼかした領域の彩度を調整します。 1.000 (デフォルト) は元と同じ彩度です。 0.000 モノクロになります。
- カラー化:ぼやけた領域に色合いを与える色の量を制御します。 0.000 がデフォルトです (色付けなし)。
- カラー:カラー化で適用する色で、クリックするとカラー ピッカーが表示され、スポイトでビューアから拾えます。
ブラーや彩度はスライダーで動かすと1.000までしか動きませんが、数値ボックスをクリックして横にスライドするとそれを超えた数値が適用できます。
アドバンスオプション
物理的なぼかし方を調整します。
- ブラーの種類:ぼかしのアルゴリズムを選択します。 レンズまたはガウスのいずれかです。
- アナモルフィック (レンズ):レンズタイプに合わせてブラーのアスペクト比を設定できます。
- ハイライト (レンズ):画像のハイライトに影響がある部分を調整できます。
フェイス修正(Face Refinement)の改善 (スタジオ版のみ)
DaVinci Resolve 19のフェイス修正はトラッキング、プロファイル処理、スムーズ スキンのオプションが改善されています。フェイス修正は、人々の顔の色に的を絞った調整を素早く行うことができます。操作できる項目の多さから、もはやデジタルメイクアップと言っても良いかもしれません。
「フェイス修正」はエフェクトライブラリの「ResolveFX リファイン」に分類されています。
作業手順は以下の通りです。
フェイス修正ツールを使用するには、まず作業する顔を特定して追跡する必要があります。
顔の識別は、「フレーム内の顔を検出」ボタンをクリックします。再生ヘッドの位置に顔がある場合、検出した顔にボックスが表示されます。複数の顔が検出された時はボックスが複数表示され、いずれかの調整するボックスを選択すると緑色で強調表示されます。
次にトラッキング コントロールで顔を追跡します。
うまく顔が検出できていれば、トラッキング コントロールの「順方向にトラッキング後に逆方向」のボタンを押すだけです。
通常、トラッキングコントロールはほとんどの場合に十分に機能しますが、被写体の頭が傾いていたり、他のものによって遮られている場合は手動で調整が必要な場合もあります。
その場合、トラックが良好な最後の場所に移動し、「補間 (キーフレーム)」ボックスをオンにします。
すると、キーフレームが自動的に追加され、アウトラインが青色になり、手動モードに変わります。
問題のあるフレームに行き、顔全体を手動で調整するか、特徴部分を個々に選択して調整します。
自動追跡が機能する場所に到達したら、「補間 (キーフレーム)」のチェックを外して、そこから自動追跡します。
トラッキングで必要な作業はこれだけです。
あとはDaVinci Resolveがトラッキングした顔の部分を自動的に分割するので、必要な部位に応じて適切な方法で肌の色相や彩度を調整したり、照明を変更して細部を鮮明にしてメイクアップを洗練できます。
メインコントロール
上部にあるメインコントロールで顔のトラッキングを開始します。
フレーム内の顔を検出: フェイス修正で調整する顔を検出します。
トラッキング コントロール:基本的なトラッキング コントロールで、顔の特徴部分の動きを識別して追跡します。
- 逆方向にトラッキング:逆方向に追跡します。
- 1 フレームを逆方向にトラッキング: 1 フレーム逆方向に追跡します。
- フレーム内で検出:現在のフレーム内の顔を検出します。
- 順方向にトラッキング後に逆方向:現在の位置から順方向に追跡した後、元の位置から逆方向で追跡します。
- 1 フレームを順方向にトラッキング:1 フレーム順方向に追跡します。
- 順方向にトラッキング:順方向にに追跡します。
オーバーレイを表示:作業中に顔の検出がどの程度正確に追跡しているかを確認するときは、このチェックボックスをオンにします。顔のどこが検出されているかを示すワイヤーフレームがオンになります。
顔の位置(Face Location)
「顔の位置」ではエフェクトの強度を調整したり、フレーム内の顔とその特徴の位置を手動で調整できます。
- エフェクト強度:全体のエフェクトの強度を調整します。 1.000 が100%で、0 でエフェクトはオフになります。
- 補間 (キーフレーム):トラッキングを手動で調整する場合にオンにします。チェックを入れた時点で自動的にキーフレームが追加され、アニメーション化されます。ビューアをクリックしてドラッグすると顔全体を移動します。Shift キーを押しながらクリックしてドラッグすると顔を再フレーム化し、個々の特徴をクリックしてドラッグするか、任意のポイントをクリックしてドラッグすることで位置を移動できます。
肌の分離(Skin Isolation)
スキン マスクを調整し、人物の顔のみに効果を適用します。
- マスクを表示:このチェックボックスを押すと、生成されたフェイスマスクが表示されます。
- スキン マスク ソース: スキン マスクのソースを選択できます。デフォルトはDaVinci Resolveで生成された「内部スキンモデル」ですが、別のノードでスキン トーンを調整していれば「入力アルファを使用」で利用できます。「なし」はマスクを無効にします。
- シャドウの範囲:スキン モデルによって検出された顔のシャドウをもとに範囲を拡張または縮小できます。
- ティントの範囲:スキンモデルによって検出された顔の色合いをもとに範囲を拡張または縮小できます。
- 色温度の範囲:スキンモデルによって検出された顔の色温度をもとに範囲を拡張または縮小できます。
- 顔領域に制限:チェックボックスがオンの場合、顔に沿って円形のガベージ マスクが自動で配置され、外側の領域が認識されることがなくなります。
- 領域のサイズ:領域を制限したマスクのサイズを調整できます。
- 領域のソフトネス:領域を制限したマスクのエッジの柔らかさを調整できます。
- 平らな肌エリアのみ:チェックボックスがオンの場合、鼻と眼の領域がマスクから除外され、肌自体のみを操作できます。
- 口を除外:チェックボックスがオンの場合、口の領域がマスクから除外され、口を除く肌自体のみを操作できます。
- マスクのノイズ除去:マスクの細かい部分の穴を埋めることができます。
- マスクを調整:マスクを調整して、キーの隙間を滑らかにしたり除去したりできます。
「シャドウの範囲」「ティントの範囲」「色温度の範囲」はスキン マスク ソースが「内部スキンモデル」のときのみ使えます。
肌の質感(Skin Texture)
「肌の質感」には「自動」 「スムース」「アドバンス」の3 つのモードがあり、肌の質感の制御に使う方法を選択できます。
ビューティプラグインの「自動」と同等で、ディテールを滑らかにしたり粗くするための使いやすいコントロールです。
- 適用量:滑らかさと粗さの量を調整します。
- スケール:適用量の範囲を増減します。
以前に使用できたテクスチャ調整コントロールと同じで、スムージングで肌を滑らかにします。
- スムース:スキン マスクで分離した領域からディテールを取り除き、肌を滑らかにします。
- ディテールのサイズ:顔に戻すディテールの最大サイズを決定します。
- ディテール:細かいディテールを復元するシャープ化の操作です。スムースを適用した後にディテールとディテールのサイズを調整することで、肌を滑らかにしつつ、より自然に見せることができます。
ビューティプラグインの「アドバンス」と同様のコントロールです。
肌のグレーディング(Skin Grading)
「肌のグレーディング」では、顔全体の色を調整できます。
- コントラスト:コントラストを操作して明るくしながら影を暗くすることで、自然な方法で人物を引き立てることができます。
- ミッドトーン:肌のトーンの明るさの中間部分を調整します。
- カラーブースト: 肌の部分の彩度を低くしたり高めたりできます。
- ティント:自然な肌の色合いを調整します。
- シャドウの彩度を低下: 顔のシャドウのみ彩度を下げて自然に見せることができます。逆に彩度を上げることもできます。
- 光沢の除去:ハイライトを抑えることで汗やテカリを改善します。スライダーを逆に操作しテカリを強調することもできます。
側面のライト(Side Lighting)
疑似的なライティングコントロールで、影やハイライトを強調したり塗りつぶすなどして顔の側面の光のバランスを調整できます。
- リフト左/右:顔の側面の画像の暗い部分を調整します。
- ガンマ左/右:顔の側面の画像の中間調部分を調整します。
- ゲイン左/右:顔の側面の画像の明るい部分を調整します。
- エリア サイズ:側面のライトの影響を受ける範囲の大きさを調整できます。
- バイアス左/右: 通常、鼻の位置で左右に分割されますが、その位置を変えることができます。
- エリアソフトネス:エフェクトの効果範囲の柔らかさを調整します。
実際のライティングが平坦な場合でも、顔の左右にコントラストがあるだけで人物が引き立った印象になります。
アイシャドウ(Eye Shadow)
目自体は操作することなく、まぶたの範囲の色を制御できます。ごく僅かに使用することで、目の下のたるみやくすみを取り除いたり、実際のメイクを強調することができます。また、積極的に使用することで、何もない状態からリアルなアイメイクの効果を作り出すこともできます。この効果は、目の上と下で個別の領域として操作できます。
- 温度 上/下: まぶたの色温度を調整します。
- ティント 上/下:まぶたの色合いを調整します。
- 色相 上/下:まぶたの色相を調整します。
- 彩度 上/下:まぶたの彩度を調整します。
- ガンマ 上/下:まぶたのガンマを調整します。
- サイズ 上/下:効果の領域のサイズを調整します。
- ソフトネス 上/下:効果の領域のソフトネスを調整します。
- 強度 上/下:顔に当たる照明の違いを補正するために、左右で異なる強度を設定できます。
目(Eyes)
このコントロールは、目とその周囲の領域のみに効果があります。
- シャープニング:目とまつげのみ選択的にシャープネスを追加できます。
- ブライト:明るさの調整で、眼球のみを明るくできます。
- 目のライトアップ:目の周りの領域のみ明るくします。特にこの部分は照明によっては影になることが多いため、くまの除去と合わせ、肌の修正の時によく使われます。これを修正するだけでもかなり見た目の印象が変わります。
- くまの除去:疲れたときに発生しやすい目の下のくまの部分の領域を明るくして調整します。
唇(Lips)
唇と口の周囲の領域のみを対象とします。
- 色相シフト:唇や口紅の色を調整できます。
- 彩度:唇の色の強度を調整できます。
- ガンマ:ガンマを使用して唇の明るさを調整できます。
- 上唇スムース:唇の上の細かい線を滑らかにします。
- 口角 内/外: 口角を調整します。
- 上端 内/外:唇の上の端の境界を調整します。
- 下端 内/外:唇の下の端の境界を調整します。
- ソフトネス:口の部分と顔の部分の間のブレンドの柔らかさを調整します。
歯(Teeth)
芸能人は歯が命と言いますが、3 つの調整だけで歯を強調できます。
- ゲイン(青):青のゲインを調整することで、歯のカラーバランスを調整します。歯を白くしたり黄色くします。
- ガンマ:ガンマを操作して明るさを調整します。
- マスクソフトネス: 歯と顔の部分を分けるマスクのソフトネスを調整します。
チーク(Blush)
頬の赤い領域の色相を変更して不適切なメイクアップを修正したり、赤色を拡張してメイクを追加できます。
- 色相:色相で頬の色を調整できます。
- 彩度:元々ある唇の赤色を強めたり弱めたりできます。
- サイズ:頬の赤い領域の範囲を調整できます。
額(Forehead)
額の色と質感を調整します。
- 色相:色相で額の色を調整できます。
- 彩度:元々ある額の色を強めたり弱めたりできます。
- ガンマ:ガンマを操作して、額の明るさを設定します。
- スムース:額にスムージング処理を適用して、しわなどを改善します。
頬(Cheeks)
頬から目の下、鼻にかけて全体にまたがる影響を与えるシンプルなカラー調整コントロールです。
- 色相:色相で全体の色を調整できます。
- 彩度:元々ある色を強めたり弱めたりできます。
顎(Chin)
顔の側面 (ひげの部分) からあごにかけての簡単な色調整コントロールです。
- 色相:色相で全体の色を調整できます。
- 彩度:元々ある色を強めたり弱めたりできます。
人間は人の顔色に対して非常に敏感です。わずかな違いであってもそこから何かを感じ取ることができます。一度肌修正を始めると過剰になりがちです。シーンに合った無理のない自然な肌色になるように気を付けてみてください。なぜ女性がメイクにあれだけ時間をかけているかを考えてみるといいかもしれません。メイクや照明の技法から多くを学ぶことができます。
フィルム ルック クリエーター (スタジオ版のみ)
「フィルム ルック クリエーター」はエフェクトライブラリの「ResolveFX フィルムエミュレーション」に分類されています。
フィルム ルック クリエーターを使用すると、一つのResolveFXで簡単に色調とエフェクトを変更し、映画のフィルム ストックを模倣できます。特定のメーカーのフィルム ストックをエミュレートするわけではなく、創造的な方法で基本的なBlackmagicのフィルムルックを作成します。
フィルム ルック クリエーターでは、露出、コントラスト、彩度、色相などのパラメータを変更して色を整えたり、フィルム エミュレーションに必要なビネット、ハレーション、グレイン、ブルーム、フリッカー、ウィーブ、フィルム ゲートなどのツールも含みます。
コンポーネントの多くはすでにResolve FX ライブラリに存在しますが、フィルム ルック クリエーターは大幅に簡素化されたツール を1 つの ResolveFXに統合してあるので、このエフェクトを適用するだけで、すぐにフィルム ルックを作る手がかりを得ることができます。エフェクトに満足しない場合は、このツールのモジュールを無効化して、詳細に設定可能な専用のResolveFXを追加するだけです。
このエフェクトを適用すると、基本となる Blackmagicのフィルムルックが自動的に設定されます。これ自体は調整できませんが、上部のコントロールを使用して独自のルックを作成することができます。
フィルム ルック クリエーターは、シーン参照ワークフローで使うことを前提に設計されており、あらゆるカメラ ソースや出力ディスプレイで動作します。Resolve Color ManagementやACES を使う場合、デフォルトで入出力にタイムラインのカラー スペースを使うため、これらの変換は自動的に行われ特に気にする必要はありません。
ディスプレイ参照ワークフロー (DaVinci YRGB など)でも 機能しますが、その場合は手動で「カラー スペースのオーバーライド」を設定する必要があります。
メインコントロール
このコントロールでエフェクトの基礎を作成します。
- プリセット:プリセットのドロップダウンからの希望のルックを選ぶと、エフェクトが自動的に設定されます。初期値は「デフォルト65mm」ですが、これは一般的な映画の35mmフィルムよりも高精細度な65mmフィルムを模倣した設定です。「デフォルトでエフェクトなし」では、Blackmagic フィルムルックはオンになりますが、ほかの追加のエフェクトはすべて無効になります。何か変更を加えるとプリセットの値は「カスタム」に変化します。
- カラーブレンド:基礎となるルックと、他のカラー設定およびスプリットトーンで加えた変更を混合する割合を調整できます。これを0にすると、カラー設定とスプリットトーンは強制的に無効になります。デフォルトは1.000で100%フィルム ルック クリエイターの効果が反映されます。
- エフェクト ブレンド:エフェクトの強度の割合を調整するコントロールです。0にするとカラー設定とスプリットトーンおよびフィルムゲート以外のエフェクト効果が無効になります。デフォルトは1.000で100%フィルム ルック クリエイターの効果が反映されます。
- 3D LUT 互換: このボックスをチェックすると、3D LUT で反映されないエフェクト効果のオプションが除外されます。これにより、カスタムで作成したルックを LUT 経由で他のプログラムやハードウェアにエクスポートできるようになります。
カラースペースのオーバーライド
ディスプレイ参照ワークフローではこの設定を使い、入力ガンマと出力ガンマおよびカラー スペースを手動で変更できます。これらを変更してもトーン マッピングは適用されないことに注意してください。
初期値は出力ホワイトポイント以外はすべて「タイムライン」の設定になり、「プロジェクト設定」の「カラーマネージメント」で選択したカラースペースと一致します。
- 入力カラースペース:ドロップダウン メニューから入力カラースペースを設定します。
- 入力ガンマ:ドロップダウン メニューから入力ガンマを設定します。
- 出力カラースペース: ドロップダウン メニューから出力カラースペースを設定します。
- 出力ガンマ: ドロップダウン メニューから出力ガンマを設定します。
- 出力ホワイトポイント:クリエイティブな目的のために、ドロップダウン メニューからディスプレイの白色点を設定できます。D65 がデフォルトの白色点です。
カラー設定
この設定で、フィルムルックのカラー設定を変更できます。 これらのエフェクトは 3D LUT で渡されます。
- 露出:露出をストップ (+/- 5) で調整する測光コントロールです。
- コントラスト:全体的な S カーブ伝達関数を調整して、ショットのコントラストを増減します。
- ハイライト: S カーブの上部のロールオフを調整し、ショットの最も明るい領域を拡大縮小できます。
- フェード: S カーブの下部のロールオフを調整し、ショットの最も暗い領域を拡大縮小できます。
- ホワイト バランス:色順応を使用して映像が異なる照明条件で撮影された場合にどう見えるかを模倣します。 ケルビンで調整できます。
- ティント:映像の色合いを調整します。蛍光灯やナトリウムランプなど、限定されたスペクトルの照明の下で撮影された映像のバランスをとるために、クリップのグリーン/マゼンタのバランスを調整します。
- スキンバイアス:画像の肌の色合いを調整できます。
- 減法彩度: 減算法によく似た方法で画像全体の彩度を明るさを変えずに調整します。
- リッチネス:飽和している領域に影響を与え、その領域のみ減算的に彩度を適用します。 より深みを与えたり、飽和した領域を戻すのに役立ちます。
- ブリーチ バイパス: 画像の彩度を下げ、コントラストを高める手法で、よく知られたルックをシミュレートします。
スプリットトーン
色相アングルを使用してシャドウとハイライトに色を追加します。 たとえば、ハイライトにオレンジを追加し、シャドウにティールを追加して、モダンな映画のようなルックを実現できます。このエフェクトは 3D LUT で渡されます。
- スプリットトーンを有効化:このエフェクトのオン/オフです。
- 適用量:スプリットトーンの強さで、画像に適用する量です。
- 色相アングル:シャドウとハイライトに適用される色相のアングルを調整します。
- ピボット:輝度のどこで色相が変化するかを設定します。極端な値にすると、ピボットでシャドウやハイライトに単一色を適用できます。
ビネット
ショットにビネットを追加するために簡略化された設定です。 効果に満足しないときは、この設定を無効にして代わりにビネット効果を別途適用します。
- ビネットを有効化:ビネットをオン/オフします。
- 適用量: ビネットの暗い領域の強度を設定します。
- サイズ:ビネットが影響する範囲を設定します。
「ビネット」は、映像の四隅を暗くして、アーティスティックな雰囲気を出す効果としてよく使われます。実際にはレンズを通して撮影時されることに加え、フィルムプロセスではさらにレンズを通して映写されるため、エッジの光量が中心部よりさらに少なくなることから起こります。
ハレーション
被写体のエッジに柔らかい輝きを追加して、映画フィルムの特性を模倣する簡素化された方法です。 効果に満足しないときは、この設定を無効にして代わりにハレーション効果を別途適用します。
- ハレーションを有効化: ハレーション効果をオン/オフします。
- 適用量:ハレーションの強度を設定できます。
- 範囲:エッジからのグローの広がりのサイズを設定できます。
- 色相:グローの色を色相で変化させます。
「ハレーション」は、フィルム上に生じる光の反射や散乱により、画像の一部がぼやけたり、白っぽくなる現象を指します。特に、強い光源の周りで発生しやすく、フィルム層の裏側にまで光が到達し、再び感光することで起こります。「グロー」とは、光源や明るい部分の周囲にぼんやりとした光の広がりを形成する現象のことを指します。
ブルーム
ハイライトのエッジの周囲に微妙な輝きを加えることができます。
- ブルームを有効化:ブルーム効果をオン/オフします。
- 適用量:ブルームの強度を設定できます。
- 範囲:ブルームの広がる範囲を設定します。
「ブルーム」は、輝度の高い光源や明るい部分で、周囲に広がる光で霞がかかったように見える現象のことを指します。ハレーションやグローとは異なりますが、視覚的に似ている部分もあります。ブルームの起きる原因は、レンズ内の光の散乱やフィルムの表面の反射によってもブルームが発生することがあります。
グレイン
映画フィルムに見られるグレイン(粒子)のパターンをエミュレートする単純化されたツールです。効果に満足しないときは、この設定を無効にして代わりにフィルム グレイン効果を別途適用します。
- グレインを有効化:グレインパターンをオン/オフします。
- プリセット:標準的なフィルムストックに基づき、開始点がいくつか用意されています。
- 適用量:画像内のグレインの量を決定します。
- サイズ:画像内のグレインのサイズを決定します。
- ソフトネス:個々のグレインのソフトネスを決定します。
- 彩度:グレインに色を追加します。 0はモノクロです。
- イメージのデフォーカス:画像の全体的な解像度に影響し、0 に近づくほど焦点がぼけます。1.000 では解像度は変わりません。この操作はグレインには影響しません。
「グレイン」は、フィルムに見られる微細な粒子状のパターンのことを指します。これはフィルムの感光材料に由来し、質感や雰囲気に影響を与える重要な要素になります。フィルムは感光性のある銀塩結晶を含むエマルジョン層で覆われていて、撮影時に光がフィルムに当たると、この結晶が化学反応を起こして画像を形成します。この結晶のサイズや分布がグレインとして現れます。グレイン」は色やフレームレートに加え、フィルムプロセスで非常に重要な要素です。
フリッカー
画像の露出に穏やかなパルスを加え、映画の投影時のちらつきを模倣します。効果に満足しないときは、この設定を無効にして代わりにフリッカー追加効果を別途適用します。
- フリッカーを有効化:フリッカー効果をオン/オフします。
- 適用量:画像に追加するちらつきの量を設定します。
- レート: フリッカーが点滅するレートを調整します。
ゲートウィーブ
フィルムがカメラゲートを機械的に引っ張られるときの画像のわずかな水平方向および垂直方向のシフトを模倣します。
- ゲート ウィーブを有効化:ゲート ウィーブをオン/オフします。
- 適用量:揺れの動きの量を決定します。
- レート: 揺れが移動する速度を調整します。
「フリッカー」や「ゲートウィーブ」は、フィルムの撮影時や映写時で状態のあまり良くない時に発生するもので、いわゆるフィルムダメージの一種です。オールドフィルムの表現には有効ですが、フィルムルックとして使うのには難があります。
フィルムゲート
画像の端にブランキングを追加して、フィルム投影やテレシネ位置合わせなどを模倣します。
- フィルム ゲートを有効化:フィルム ゲートをオン/オフします。
- プリセット:一般的なフィルムのアスペクト比を選択します。
- 比率 横/縦:ここで画像のカスタム比率を設定できます。
- 湾曲を有効化:画像の角がわずかに丸くなり、実際のフィルムのフレームの形状を模倣します。
- パディング: 画像をブランキング領域にズームイン、ズームアウトし、フィルムのフレーム全体を確認できるようにします。 テレシネ時のコントロールに似ています。
Resolve FX ブラー(放射)とブラー(ズーム)の品質の向上
DaVinci Resolve 19では、ブラー(放射)とブラー(ズーム)に新しい品質設定が追加されました。 オプションは「速度優先」「画質優先」「最高品質」で、新しい「最高品質」では高解像度の鮮明なパターンに使用するように設計されています。このような、高解像度の鮮明なパターンがない限り「画質優先」を使うことをおすすめします。