【NAB 2015】After Effects CC次期メジャーアップデート(2015)の新機能

2015/4/8 AfterEffects CCの次期メジャーアップデートにおける新機能が発表されました。After Effects CCの更新だけではなく、ビデオおよびオーディオアプリケーションの次期バージョンのアップデート内容が明らかになっています。
Coming Next to Adobe Pro Video Tools

After Effects CC次期メジャーアップデート(2015)の新機能

パフォーマンスとインタラクティブ性の向上のためにアーキテクチャを再構築
継続したプレビュー
簡素化され、統一されたカスタマイズ可能なプレビュー
クリエイティブクラウドライブラリ
フェイストラッカー
アドビキャラクターアニメーター(プレビュー)
エクスプレッションのエラー処理表現の改善とレンダリングの問題となるデバッグ情報の追加
パネルタブの再設計とカスタマイズを含むユーザインターフェイスの改善
Maxon Cineware v2.0.16
RedとOpenEXRのインポーターのアップデート
などが含まれます。

パフォーマンスとインタラクティブ性の向上のためにアーキテクチャを再構築

次期バージョンではアーキテクチャの再構築で、ユーザー·インターフェースとCPUによって個別に処理される画像レンダリングが改善されます。もはや、画像レンダリングを終了を待つことなく操作でき、作業しながらフレームレンダリングを続けることができます。
特定の機能に分類されない新しい動作は次のとおりです。
・レンダリングリクエストの間に遅延ややり取りはありません。
・フレームをレンダリング中でも常にユーザインターフェースが滑らかに動作します。
・コンポジションに変更を加えることにより、レンダリングを中断したりキャンセルできます。
・レンダリングに長い時間がかかる場合でも高速のスクラビング(現在の時間インジケータのドラッグ)ができます。
・より高速な画像キャッシング。
・エクスプレッションがより効率的になります。
・After Effectsがバックグラウンドにある場合でもプレビュー処理が継続します。
以下の「プレビューを再生する方法の変更」は、パフォーマンスとインタラクティブ性の改善が行われたアーキテクチャの再構築により可能になりました。

継続したプレビュー

After Effectsでプレビューを再生している間でも、開いているプロジェクトに変更を加えることができます。

以前のバージョンでは、コンポジション、レイヤー、またはフッテージパネルでプレビューを開始した後に、ユーザーインターフェイスで任意の場所をクリックするとプレビューの再生を停止しました。次期バージョンではビューアパネルの内側をクリックするか、キーボードショートカットでプレビューを停止するまでプレビューは継続します。
例えばプレビュー中にタイムラインまたはエフェクトコントロールパネルでコンポジションを変更することができます。After Effectsはすぐに更新されたフレームのキャッシュを作成するので新たなフレームがキャッシュされるまではプレビューのフレームレートが遅くなります。パネルをクリックするとプレビューが停止するので、コンポジションパネルで再生中に変更することはできませんが、変更を加えるためには同じコンポジションの二番目のビューアパネルを開くことができ、パネルに反映したプレビューを再生できます。
あらゆるコンポジション、レイヤー、フッテージパネルでプレビュー中に変更が可能です。
さらに、以下のようなことができます。
・ネストされたコンポジションを含む他のコンポジションやレイヤーを作成、閲覧、変更可能。
・フッテージパネル内でフッテージ設定を変更したりフッテージの閲覧やインポートが可能。
・プロジェクト設定の変更
・パネルの表示設定の変更(アルファチャンネルの表示、ズームイン、3Dビューの変更など)
プレビューされるフレームに影響を与える変更を行う場合、新しいフレームがレンダリングされ、キャッシュされるまではプレビューのフレームレートが遅くなることがあります。

簡素化され、統一されたカスタマイズ可能なプレビュー

次期バージョンのAfter Effectsではコンポジション、レイヤー、フッテージをプレビューする際に新しい動作が提供されます。プレビューの動作はプレビューパネルでカスタマイズし更新されます。デフォルトのキー操作ではスペースキーを押したときに、キャッシュされたフレームとオーディオ再生のリアルタイム再生を行います。また、ユーザーの好みに合わせて、プレビューの動作をカスタマイズすることができます。この変更で、古いRAMプレビューと標準プレビュー(スペースキー)の違いがなくなるため、これらの用語は使用せずプレビューと統一されます。
プライマリービュアーボタンで「ビューアパネルを開く」もしくは、「パネル内のビューを常に外部のビデオとオーディオのプレビューに使用」を選択した場合、独立したビュアーか、現在プレビューしているビュアーのどちらかで「常にこのビューをプレビューに使用」で見ることができます。
これは、たとえば他のコンポジションで作業しながら、特定のコンポジションを常に外部ビデオモニターに表示させたいときなどに便利です。

クリエイティブクラウドライブラリ

クリエイティブクラウドライブラリパネルがAfter Effects内で使用できるようになりました。
Creative Cloudライブラリ
クリエイティブクラウドライブラリでは様々な種類のアセットが利用できるようになります。フォトショップ、イラストレーターおよびAdobe Shape や Project Candyのようなモバイルアプリケーションで作成された画像や色、色のルックスなど簡単でシームレスに他のデスクトップおよびモバイルアプリケーションでそれらにアクセスすることができます。ライブラリの共有で共同作業やプロジェクト全体の一貫性を維持することが容易になります。
クリエイティブクラウド加入者はクリエイティブクラウドマーケットプレースを使用し、ライブラリに直接追加できる何千ものロイヤリティフリーのアセットにアクセスすることができます。
After Effectsのライブラリパネルは、標準およびすべてのワークスペースの右側のエフェクト&プリセットパネルにデフォルトでグループ化されています。
また、次のいずれかを選択することでライブラリパネルにアクセスすることができます。
ファイル>インポート>ライブラリから
ウィンドウ>ライブラリ
グラフィックスアセットは、ローカルディスクからインポートする他の素材と同様に、After Effectsのプロジェクトにインポートされます。プロジェクトにグラフィックアセットをインポートするには、ライブラリパネルからプロジェクトパネルにドラッグするするか、ライブラリパネル内のグラフィックを右クリックし[インポート]を選択します。以前の手段によってインポートされたときと同じようにライブラリパネルからインポートするPhotoshop(PSD)とIllustrator(AI)は同じように動作します。
複数のアイテムをドラッグしてインポートする設定は[環境設定]> [インポート]から変更できます。
Premiere ProとProject Candyモバイルアプリケーションのルックはカラールックアップテーブルに基づいて色変換を定義するファイルです。After Effectsではこのルックをレイヤーに適用することができ、スピードグレードのようなアプリケーションで行わるカラーグレーディングを簡単に適用することができます。
ライブラリパネルからルックを適用するには、レイヤーの上にルックをドラッグするか、レイヤーを選択しライブラリパネル内のルックを右クリックして[ルックを適用]を選択します。After EffectsではカラーLUTエフェクトが追加されルックが適用されます。もし、すでにカラーLUTエフェクトがすでにレイヤーにある場合は、エフェクトのインスタンスとしてライブラリパネルのルックが適用されます。これは、同じレイヤーに異なるルックを試してみたいときに便利です。
コンポジション内のすべてのレイヤーにルックを適用したい場合は、レイヤースタックの一番上に新しい調整レイヤーを作成しそのレイヤーに適用します。
ライブラリ内のグラフィックス以外のアセットはAfter Effectsに直接適用することはできませんが、ライブラリパネルで表示管理することができます。Adobeカラーテーマパネルと同様にライブラリーの色からAfter Effectsのスポイトツールを使用して色を選ぶことができます。

フェイストラッカー

トラッカーパネルに映像から人の顔を検出し、顔の特徴を追跡する新しい追跡方法が加わります。顔の特徴に他の要素を貼り付けたり、ぼかしたり、Adobeキャラクターアニメーターで使用するための追跡データを抽出することができます。

フェイストラッカーは主に自動的に動作しますが、フレームの分析を開始する助けになる正面の顔を指定することができます。複数の顔がシーンに存在する場合も、顔の周りに緩く閉じたマスクを描き、目と口を囲むことでフェーストラッカーに顔の位置を伝えることができます。これはラフなマスクで構いません。
トラッカーパネルには2つのオプションがあります。
フェイストラッキング(輪郭のみ):
顔の輪郭を追跡したい場合はこのオプションを使用します。
フェイストラッキング(詳細な特徴):
鼻、口の位置(眉と瞳を含む)と目を検出する場合は、このオプションを使用し必要に応じてさまざまな場所の測定値を抽出します。キャラクターアニメーターにトラッキングデータを使用したい場合は、このオプションが必要です。
マスクが検出された顔の輪郭に合され、額の位置に合わされます。輪郭のみを追跡する場合は、このマスクを人の顔をぼかすようなモザイク効果で使用することができます。マスクの拡張やぼかしの使用で結果を改善することができます。詳細な特徴オプションを使用している場合は、フェイストラックポイントのエフェクトがレイヤーに適用されます。エフェクトには検出された顔の特徴(例えば、目と口の隅、眉の位置、鼻の先端)に紐付いたキーフレームを持ついくつかの2Dエフェクトコントロールポイントが含まれます。
注意:指定されたフレーム上で閉じられたマスクで検出できないか、オープンマスクが使用される場合は、通常のマスクトラッキング(位置、スケールおよび回転)が使用されます。
詳細な特徴オプションを使用している場合は、顔の特徴の測定値でさらに多くの情報を抽出することができます。通常の状態の顔が表示されているフレーム(ポーズ状態)に現在の時間インジケーターを移動し、顔検出の抽出とコピーをクリックします。顔検出エフェクトがレイヤーに追加され、フェーストラックポイントから計算されたキーフレームが作成されます。顔検出キーフレームデータはキャラクターアニメーターで使用するためのシステムのクリップボードにコピーされます。

アドビキャラクターアニメーター(プレビュー)

アドビキャラクターアニメーターは、After Effectsの次期バージョンにインストールされます。
キャラクターアニメーターを開くには、[ファイル]> [アドビキャラクターアニメーターを開く]を選択します。また、OSのアプリケーションフォルダからのAfter Effectsと独立してキャラクターアニメーターを起動することもできます。
アドビキャラクターアニメーターは、Project Animalとして知られていました。

エクスプレッションのエラー処理表現の変更と改善されたエラーハンドリング

After Effectsのエクスプレッションの評価が大幅に強化されました。エクスプレッションの評価のパフォーマンスは一般的に高速になりますが、改善は式によって異なります。
エクスプレッションの評価が失敗した時には大きく2つの変更があります:
エクスプレッションのエラーは、コンポジションパネルの下部の警告バナーではなく、ダイアログボックスに表示されます。式は無効にならず、評価するために継続し、表現に問題が解決されるまで警告バナーが表示されます。
エクスプレッションのエラー警告バナーの右側にはコントロールボタンがあります。
複数の式を評価する場合、左または右矢印ボタンが表示され前または次の式エラーを表示します。
Reveal Expressionボタンはタイムラインパネルで問題のあるエクスプレッションのプロパティを表示します。Expand Warningボタンはエラーテキストを表示する警告バナーの高さを拡大します。縮小する場合はもう一度ボタンをクリックします。
エクスプレッションのエラーテキストは、コンポジションパネルの幅にクリップされるので、完全なエクスプレッションのエラーを表示するには、タイムラインパネル内のエクスプレッションの隣にある黄色の三角形のアイコンをクリックしてください。
エクスプレッションのエラー警告バナーを非表示にするには:
環境設定>一般から、プロジェクトにエクスプレッションエラーが含まれる時警告バナーを表示をオフにします。
このオプションが無効の場合、新しいエクスプレッションにエラーが発生した場合でも警告バナーが表示されないので注意してください。エラーを表示するには、再度このオプションを有効にする必要があります。
一定の条件の下でのレンダリングに失敗したフレームは、コンポジションまたはレイヤーに失敗に関するデバッグ情報を含む赤い警告バナーが表示されます。

パネルタブの再設計とカスタマイズを含むユーザインターフェイスの改善

環境設定>外観にインタラクティブなコントロールとフォーカスインジケータの外観を調整する新しいハイライトカラーのセクションがあります。これは、昨年導入された色やコントラストの変化では認識しづらかったユーザーの助けになります。プロジェクトとタイムラインパネル上のコンポジションとイメージシーケンスのアイコンはモノクロに代わり多色になります。
コンポジション、レイヤー、フッテージ、エフェクトコントロール、タイムライン、またはフローチャートパネルのタブ上にポインタを移動させると、そのグループ内で最前面のパネルではない場合でもパネルを閉じる“X”ボタンが表示され、前面に移動しなくてもクリックしパネルを閉じることができます。
パネルグループの幅によりも広く、多くのパネルタブがある場合はスクロールバーの代わりにタブの右側にメニュー ( >> )が表示されグループ内の非表示のパネルを表示できます。
パネルグループ設定サブメニュー:
パネルのメニューにあるパネルグループコマンドはパネルグループ設定サブメニューに移動され、パネルグループ設定サブメニューではパネルグループを閉じる、パネルグループのドッキング解除、パネルグループの最大化などが行えます。
グループ内の他のパネルを閉じる:
パネルメニュー内に、同じグループ内の他のパネルを閉じるための新しいコマンドがあります。

Maxon Cineware v2.0.16

Cineware 2.0.16 には以下の機能強化とバグ修正を含みます。
CINEMA 4Dのレイヤーを自動的に同期しない:
コンポジション内に、マルチパスレイヤーの追加を含むCINEMA 4Dシーンレイヤーの複数のインスタンスを追加する場合は、Cinewareは自動的にCINEMA 4Dのレイヤーを同期しません。(CINEMA 4DのレイヤーとAfterEffectsのレイヤー間で混乱を避けるため)エフェクトコントロールパネルの上部にAEレイヤーと同期するためのオン/オフのチェックボックスが表示されます。これを有効にすると、すべてのレイヤーインスタンスとレンダリング設定、カメラオプションが自動的に以前のように同期されますが、CINEMA 4Dのレイヤーは独立して設定できます。もし、特定のCINEMA 4Dシーンレイヤーのためにチェックボックスをオフにすると、そのレイヤーの設定はコンポジション内の残りの部分のレイヤーと同期しません。
CINEMA 4Dレイヤーダイアログボックスの更新:
レイヤーでないアイテムは「レイヤーにないアイテム」として名称変更されます。それをオフにすることで、CINEMA 4Dレイヤーに関連付けられていないすべてのオブジェクトがオフになります。
サイズ変更可能なダイアログボックス:
CINEMA 4DレイヤーとCineware設定のダイアログボックスがリサイズ可能になりました。
Cinewarev2.0.16で修正された他の重要なバグ:
マルチパスワークフローでの明るい領域におけるオブジェクトクリッピング
WindowsのAdobe Media Encoder上での .c4d ソースのコンポジションレンダリングの失敗

RED と OpenEXRインポーターのアップデート

REDカメラRAW(.R3D)ファイルのデコードが最新のRED SDKに更新されます。新機能には、Dragon Enhanced Blacks、REDcolor4、およびDRAGONcolor 2が含まれます。
fnord softwareのOpenEXR、EXtractoR、IDentifierプラグインが更新されます。
[Adobe Blog] next major update for After Effects CC revealed
注:本ブログのメニューの日本語表記などは正しくない場合があります。

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2015年4月9日から期間限定で、Apple Final Cut Pro、Avid Media Composer、Grass Valley EdiusやCS3.x、CS4、CS5.x、CS6のいずれかのバージョンのCreative Suite製品もしくは単体製品の正規ユーザーの場合、Adobe Creative Cloud 個人版年間プランが初年度40% OFFの2,980円(月額)で利用出来るようになるそうです。
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3 thoughts on “【NAB 2015】After Effects CC次期メジャーアップデート(2015)の新機能

  1. @belkyros says:

    【NAB 2015】After Effects CC次期メジャーアップデート(2015)の新機能
    http://t.co/w4hRnLcRUh
    この変更で、古いRAMプレビューと標準プレビュー(スペースキー)の違いがなくなるため、これらの用語は使用せずプレビューと統一されます。

  2. @takuya_minezawa says:

    【NAB 2015】After Effects CC次期メジャーアップデート(2015)の新機能 | MotionWorks.JP http://t.co/2OlrQoSOgg
    本当にRAMプレビューが廃止なの?
    スペース押しのプレビューと統一されただけなの?

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