ブラックマジックデザインNAB2013新製品説明会 リポート

2013年5月16日(木)・17 日(金)秋葉原、5月23日(木)・24日(金)に大阪にてブラックマジックデザインNAB2013新製品説明会が開催されました。
東京会場ではNAB2013で発表された「Ultra HD」と「6G-SDI」製品や新製品および、Blackmagic Production Camera 4KやBlackmagic Pocket Cinema Cameraなどの展示説明に加え、カラリストのGiles Livesey氏のResolve 10のデモンストレーション、株式会社ライトメディアの松井幸一氏によるUltra HD 4Kワークフローについての解説、レスパスビジョン株式会社の久保江陽介氏および株式会社スパイスの由利幸一氏によるユーザー・プレゼンテーションが行われました。
会場後方には動作可能なBlackmagic Pocket Cinema CameraやBlackmagic Production Camera 4Kが展示されていました。
Blackmagic Pocket Cinema Camera
Blackmagic Pocket Cinema Cameraの液晶はタッチパネルではなく十字キーで操作します。

製品サポートについて

2013年新製品紹介の最後にブラックマジックには珍しく(?)、製品サポートの話がありました。ブラックマジック製品には1年保証と3年保証の製品があり、保証期間中に動作不明点がある場合はメールもしくは電話で問い合わせをし、担当者によるヒアリング後にサポートセンター製品を送付、同じような環境状態でテスト後に製品に不具合がある場合は修理もしくは交換で対応を行うそうです。
動作不良が見られない場合はレポートと製品が返却されます。
DaVinci Resolve コントロールサーフェース、Blackmagic Cinema Camera およびAtem Broadcast Panel(1ME、2ME)は、保証期間終了後も有償で修理対応が可能だそうです。また、Atemスイッチャー本体とVideo Hubシリーズ、Teranexシリーズも今後サポートプランが組めるかどうか検討中との事です。(販売店からのアナウンスになります。)

DaVinci Resolve 10の新機能

Giles Livesey氏によるDaVinci Resolve 10新機能とBlackmagic Cinema Cameraによるワークフローの紹介が行われました。
DaVinci Resolve 10
DaVinci Resolve 10では編集機能が大幅に向上します。
オーディオの編集がしやすくなり、オーディオをドラッグアンドドロップで配置できます。オーディオとビデオのマルチトラック編集が可能になり、ビデオトラックも配置時に新規のトラックが自動的に追加されます。また、追加できるオーディオトラックも無制限になります。
トリムツールはカーソルの位置に応じて動作が変わり、ボタンを選択する必要が無くなります。
OFXのプラグインに対応し、サードパーティーのエフェクトを追加できるようになりました。
パワーウインドウも強化され、1ノードあたりに制限があったシェープの数に制限が無くなります。新しいグラデーションツールが追加され、グラデーションの深さを調整できます。
SDIアウトでの分割スクリーン ビュアーの表示ができ、スプリットスクリーンで同時に再生する事が可能になります。
ノードではチャンネルを分割しRGB、YUV、HSLそれぞれのチャンネルごとに調整する事が出来るようになります。
その他、タイトルツールやトラッキングデータのコピーペースト、オプチカルフロー、新しいノイズリダクション、モーションブラーの機能等の50~60の新機能が追加される予定です。
Blackmagic Design: DaVinci Resolve

Resolve Live機能

DaVinci Resolve 10の新機能の一つにResolve Liveがあります。DaVinci Resolveに直接ライブ入力が表示され、ノードに当てたグレードを通して見ることができ、グレーディングした静止画のショットを保存する事ができます。

Resolve Live機能
インプットとプレビュー用のデバイスが個別に必要だったり、メニューからResolve Liveにアクセスできないなど、まだ開発途上の様子が窺えましたがオンセットグレーディングの可能性が広がります。

Ultra HD 4Kワークフロー

続いて、「4Kシステムへの道ー歴史的背景」として、株式会社ライトメディアの松井幸一氏によるUltra HD 4Kワークフローについての解説が行われ、放送規格の成り立ちからUltra HDへの歴史的背景が解説されました。
現在UHDTV向けの規格として策定されているITU-R BT.2020とSMPTE ST 2036が比較され、ITU-R BT.2020は高色域であることに対しSMPTE ST 2036がRec. 709に近い事から、HDからのアップコンバートではSMPTE ST 2036での色の再現性が高いことが示されました。
一方6G-SDIはBlackmagicが先行して製品化していますが、国際標準としてはまだ規格化されていません。このことを踏まえた上でUltra HD 4K製品を使用したワークフローが提示されました。

ユーザー・プレゼンテーション

株式会社スパイスの由利幸一氏によるプレゼンテーションでは、数多く所持するカメラの中でBlackmagic Cinema Cameraをサブカメラとして使用するといった使い方や、Blackmagic製品を使用したライブグレードなどが紹介されました。現場でのグレーディングにテントを張ったり、Cinema CameraをPLマウントに改造する、Blackmagic Cinema Cameraでフレアを撮影する等ユニークな事例を見ることができました。
株式会社スパイス
レスパスビジョン株式会社の久保江陽介氏のプレゼンテーションではポストプロダクションでの活用事例として、初期に設置されたWorkgroup Videohubを使う事でパッチ版の操作でマシンルームとの行き来がなくなり効率的な作業が可能になったことや、5Cの同軸ケーブルではスペース的に厳しい部分を光ケーブルに変える事で解決するといった事例が示されました。
また、HDLinkを使用したコンパクトなオンセットのライブグレーディングのシステムをCMで使用したり、 映画「変態仮面」ではティザーにBlackmagic Cinema Cameraを使用し、衣装合わせ時に撮影した映像を使うといった事例も公開されました。
L’espace Vision
ブラックマジックデザイン株式会社

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