【FCP X】Final Cut Pro X 10.1.2 アップデート

2014/06/28 Final Cut Pro X 10.1.2がリリースされました。同時にMotion 5.1.1、Compressor 4.1.2もアップデートされています。また、ProApps Codecs v1.0.5もダウンロードできるようになっています。
Final Cut Pro 10.1.2

アップデートの注意点:アプリケーションのバックアップ

以前のバージョンをインストールしている場合、アップデートでアプリケーションが上書きされるため、アプリケーションのバックアップをとる事をお勧めします。(注意:過去のバージョンをダウンロードする事はできません。)
Final Cut Pro X 10.1:アップデート前に重要な Final Cut Pro X 10.0.x ファイルをバックアップする方法

アップデートの注意点:ライブラリのバックアップ

Final Cut Pro Xを起動するとライブラリのアップデートを行うアラートが表示されます。
アップデートされたライブラリは以前のバージョンで開く事はできません。
ライブラリのアップデート
キャンセルボタンでライブラリをそのままにして後で「プロジェクトとイベントをアップデート」する事もできますが、以前のバージョンで作業をする場合は、アプリケーションのバックアップとともにライブラリのバックアップをお勧めします。

バージョン 10.1.2 の新機能

• 最適化されたメディア、プロキシメディア、およびレンダリング済みのメディアをライブラリ外の任意の場所に保存可能
• 最適化されたメディア、プロキシメディア、およびレンダリング済みのメディアを Final Cut Pro X 内から簡単に削除
• 複合クリップ、マルチカムクリップ、および同期したクリップに使用中のメディアのインジケータを表示
• ブラウザに未使用のメディアのみを表示するオプション
• ARRI、Blackmagic Design、Canon、および Sony カメラのハイダイナミックレンジで広色域なビデオに標準的なカラースペース(Rec. 709)をリアルタイムに適用
• 新しい AMIRA カメラの ARRI 3D LUT を自動的に適用
• Apple ProRes 4444 XQ をサポート
• クリップを同期するときの速度と精度を向上
• カウントダウンや、複数のテイクから自動的にオーディションを作成する機能など、オーディオ録音の操作性を向上
• XDCAM メディアを含むカットのみのプロジェクトを高速で書き出し
• ライブラリ全体を XML ファイルとして書き出し
• ライブラリを選択したときに重要なメタデータをインスペクタに表示
• クリップや範囲選択の相対音量および絶対音量を調整
• メディアを読み込むときに Finder タグからキーワードを作成
• ライブラリ・リストでイベントを日付または名前で並べ替えるオプション
• ブラウザに直接ドラッグしてファイルを読み込む
• 4K ビデオを Vimeo に送信

メディアマネージメントの向上

Final Cut Pro Xで新しく作業を開始するにはファイル>新規>ライブラリからライブラリを作成します。
ライブラリリストでライブラリを選択するか、ファイル>「ライブラリのプロパティ」(Ctrl+Command+J)でライブラリのプロパティをインスペクタに表示できます。
「ライブラリのプロパティ」
インスペクタには、選択したライブラリの保存場所設定が表示され、選択したストレージデバイスのリストが表示されます。
「ストレージの場所」の隣にある「設定を変更」をクリックし、保存場所を変更することができます。デフォルトでは、メディアファイルとキャッシュファイルはライブラリ内に保存され、ライブラリデータベースのバックアップは「ムービー」フォルダの「Final Cut Backups」に保存されます。
ストレージの場所の設定を変更
「メディア」は読み込まれたファイル、プロキシファイル、最適化されたファイル、および統合されたファイルを含みます。
「キャッシュ」はレンダリングファイル、解析ファイル、サムネールイメージ、オーディオ波形ファイルなどFinal Cut Pro Xで生成されたファイルを含みます。
「バックアップ」はライブラリデータベースのバックアップの場所です。
ライブラリをバックアップしたくない場合は、「バックアップ」ポップアップメニューから「保存しない」を選択できます。ライブラリのバックアップはデフォルトで15 分おきに自動的に作成されます。バックアップにはライブラリのデータベース部分のみが含まれ、メディアファイルは含まれません。
バックアップを保存しない事もできる
バックアップされたファイルは「ファイル」>「ライブラリを開く」>「バックアップから」で復元できます。
設定後、読み込まれたソース・メディア・ファイル、キャッシュファイル、バックアップは新しい保存場所に保存されます。

最適化されたメディア、プロキシメディアの削除

最適化されたメディアは Apple ProRes 422、プロキシファイルは Apple ProRes 422 Proxyにトランスコードされます。元のメディアファイルを削除せず、これらのファイルをいつでも削除できます。
ライブラリの最適化されたファイルまたはプロキシファイルを削除するには「ライブラリ」リストでライブラリを選択します。
イベントの最適化されたファイルまたはプロキシファイルを削除するには「ライブラリ」リストで、同じライブラリのイベントを選択します。
プロジェクトの最適化されたファイルまたはプロキシファイルを削除するには「ブラウザ」でプロジェクトを選択します。
「ファイル」>「生成された<項目>ファイルを削除」を選択します。
ライブラリ、イベント、プロジェクトで名称が変わる

レンダリングされたファイルの削除

同様に上記方法でレンダリングされたファイルの削除をライブラリ、イベント、プロジェクト単位で行う事ができます。プロジェクト以外は「不要ファイルのみ」で未使用のレンダリングファイルを削除できます。
不要なレンダリングファイルのみ削除可能

整理機能の強化

「ブラウザ」で未使用のメディアのみを表示するオプションが追加されました(Ctrl+U)。未使用の部分を表示する機能で、未使用のクリップを表示する訳ではありません。例えば、一つのクリップを選択範囲で囲み一部分を使用している場合は未使用の部分の前後が別々に表示されます。
「ブラウザ」で未使用のメディアのみを表示
使用中メディアインジケータが、複合クリップ、マルチカムクリップ、および同期クリップに表示されるようになりました。
使用中メディアインジケータを表示
「ライブラリ」リスト内のイベントを(右クリックで)日付または名前で並べ替えられるようになりました。
イベントを日付または名前で並べ替え

4Kカメラなどワイドダイナミックレンジイメージをサポート

Apple ProRes 4444 XQ コーデックがサポートされました。ProRes 4444 XQは現在のApple ProResの最高品質であり、アルファチャンネルを含む4:4:4:4のイメージソースを維持します。各イメージチャンネルで最大 12 ビット、アルファチャンネルで最大 16 ビットをサポートします。
Apple ProRes White Paper(PDF)
Apple ProRes 4444 XQ の使用には OS X v10.8 (Mountain Lion) 以降が必要です。
ALEXA XR/ XTは次のソフトウェアアップデートで新しい4444 XQ コーデックのサポートがアナウンスされています。
ALEXA XR/XT supports new ProRes 4444 XQ

ログ処理

広色域、高ダイナミックレンジのARRI、Blackmagic Design、Canon、および Sonyカメラのショットにリアルタイムで放送用標準色空間(Rec. 709)を 適用できます。
クリップを選択し「情報」インスペクタで、メタデータ表示から「設定」表示を選択します。
「ログ処理」の項目から対応するカメラを選択します。
ログ処理
ARRI Log C:ARRI Log Cをデフォルト・トーン・マッピングでリニア化。
ARRI Log C(3DLUT):メディアに含まれるカスタムルックを適用した3DLUTを使用。
BMD Film:Blackmagic Cinema Camera および Blackmagic Pocket Cinema Cameraに最適化されたリニア化を適用。
BMD Film 4K:Blackmagic Production Camera 4Kに最適化されたリニア化を適用。
Canon Log:Canon Logに最適化されたリニア化を適用。
Sony S-Log2:Sonyのカメラ(F5やF55など)でS-Log2/S-Gamutで撮影された素材の709(800%)MLUT トーンマッピングと最適化されたリニア化を適用。
Sony S-Log3:Sonyのカメラ(F5やF55など)でS-Log3/S-Gamut3.Cineで撮影された素材の709(800%)MLUT トーンマッピングと最適化されたリニア化を適用。
ARRI AMIRA カメラの3D LUTは自動的に適用されます。

オーディオワークフローの向上

クリップまたはクリップの選択範囲の音量をキーボードから相対/絶対値でdB値を入力し、調整できるようになりました。
クリップまたはクリップの範囲を選択し、キーボードから相対/絶対値でdB値を入力し調整する場合は、メニューの 変更>音量を調節 から「絶対」( Ctrl + Opt + L )もしくは「相対」( Ctrl + L )を選択し、キーボードでプラスまたはマイナス値を入力しReturnを押します。
「絶対」もしくは「相対」でキーボードから入力
音量を1dBずつ調整するには、メニューの 変更>音量を調節 から「上げる」( Ctrl + ^ )、「下げる」( Ctrl + – )を選択します。
クリップと音声の同期の手順は以前と変わりませんが、精度を速度が向上しています。

ライブ音声録音機能

新しいライブ音声録音機能でボイスオーバーを記録できます。
メニューのウインドウ>「アフレコを録音」を選択します。(Option+Shift+Aですぐに録音を開始する事ができます。)
「アフレコを録音」
「録音までカウントダウン」は録音前に3秒間のカウントダウンが表示されます。
「録音中にプロジェクトをミュート」は録音中にプロジェクトの音声をミュートします。
「テイクからオーディションを作成」はテイクをオーディションとして自動的にグループ化します。
オーディションでグループ化する場合は再生ヘッドを移動せずにそのまま録音を繰り返します。
「アフレコを録音」をオーディションでグループ化
オーディションは分割できるようになりました。

サラウンド・オーディオのパンニング

新しい基本サラウンドプリセットによって、サラウンド・サウンド・オーディオを簡単にパンできるようになりました。
「オーディオ」インスペクタの「パンモード」メニューのサラウンドプリセットを選択し、サラウンドパンナーでサウンド・フィールドを変更したりスライダを使って詳細な調整を行うことができます。
基本サラウンドとサラウンドパンナー

読み込みおよび書き出し

FCPXML 1.4 でライブラリ全体を単一 XML ファイルとして書き出し、読み込むことができます。
Developer Libraryでは詳細はまだ公開されていません。
Developer Library FinalCutProXXMLFormat
ストレージからメディアを読み込むときに、Finderタグからキーワード を作成できます。
ファインダーのタグからキーワードを作成
XDCAM メディアを含むカットのみのプロジェクトをすばやく書き出せます。

その他の機能

Finderからブラウザにドラッグしメディアを読み込めます。
「タイムライン」内でクリップを細かく動かすことで、スライド編集に近いことができるようになりました。
クリップは
カンマ(,)キーで左に、ピリオドキー(.)で右に、選択範囲を1フレームずつ移動。
Shift+カンマ(,)キーで左に、Shift+ピリオドキー(.)で右に、選択範囲を10フレームずつ移動。
同様にオーディオは
Option +カンマ(,)キーで左に、Option +ピリオドキー(.)で右に、選択範囲を1サブフレームずつ移動。
Shift+カンマ(,)キーで左に、Shift+ピリオドキー(.)で右に、選択範囲を10サブフレームずつ移動。
選択ツール(ショートカット A)だとトリムされますが、位置ツール(ショートカット P)に変える事で、隙間にギャップが生成されます。
4K ビデオを Vimeo に送信できるようになりました。
Vimeoで4K出力
 
 
 
 

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