Adobe After Effects CC (2014) アップデートの新機能

2014年6月19日 Adobe Creative CloudのAfter Effects CC (2014)(バージョン13.0)のアップデートが提供されました。各製品はこれまでのCCアプリケーションとは別の単体アプリケーションとしてインストールされます。(2014の表記が付きます。)CS6もインストールしている場合は、ドライブにそれぞれ3つの異なるバージョンが存在することになります。
Adobe Creative Cloud (2014)はアドビクリエイティブクラウドのメンバーに提供され、ダウンロードセンターにアクセスするかクリエイティブクラウドデスクトップアプリケーションからアップデートを適用する事ができます。
AE CC2014
Adobe After Effects CC (2014)の新機能

  • キークリーナー エフェクトと高度なスピルサプレッション エフェクト
  • Premiere Proで編集可能なAfter Effectsで作成したテキストテンプレート
  • 各エフェクトの影響を受ける範囲をマスクで制限するなど、各エフェクトのコンポジットオプション
  • Premiere Proからのマスクのインポート
  • トーンカーブエフェクトの自動調整とユーザーインタフェースの改善
  • CEPインフラストラクチャを使用したHTML5パネル
  • Kulerパネル
  • Typekitからフォントを追加するメニューコマンド
  • ProEXRのV1.9:より高性能なOpenEXRインポーター。EXtractoR および IDentifierプラグインの更新
  • ソニー RAWフッテージのインポート(F5、F55、F65カメラのRAWファイル)
  • ソニー SR MXFファイル MPEG-4 SStP (Simple Studio Profile) のインポート
  • マーキュリートランスミットを使用した外部モニターでのビデオプレビュー
  • レンダリング設定と出力モジュール設定にスクリプトからアクセス
  • Adobe Media Encoderを介したデジタルシネマパッケージ(DCP)エクスポート

キークリーナーエフェクトと高度なスピルサプレッションエフェクト

Adobe公式に新機能についてのチュートリアルページがあります。
「グリーンスクリーンのフッテージの問題点の修正」
練習用のサンプルファイルとAfter Effectsクイック操作ガイドがダウンロード出来ます。
エフェクト&プリセットパネル>Image – Utilitiesカテゴリーにある「Keylight+キークリーナー+高度なスピルサプレッション」をクリックすることで一度に適用する事が出来ます。
「Keylight+キークリーナー+高度なスピルサプレッション」
Keylightなど任意のキーヤーの後に「キークリーナー」「高度なスピルサプレッション」 エフェクトを順に追加します。
キークリーナーエフェクトと高度なスピルサプレッションエフェクト
「キークリーナー」エフェクトは圧縮によるアーチファクトの除去とディテールを回復を行い、「高度なスピルサプレッション」 エフェクトはエッジなどに残る色被りを除去します。
高度なスピルサプレッションの補間方法の「標準」では優先キーカラーを自動的に認識し、「Ultra」はPremiere ProのUltraキーのアルゴリズムで動作し詳細な調整が可能です。
以前のスピルサプレッション エフェクトは「旧バージョン」に移動され、高度なスピルサプレッション エフェクトの使用が推奨されています。

Premiere Proで編集可能なAfter Effectsで作成したテキストテンプレート

「After EffectsでのPremiere Pro用テキストテンプレートの作成」
以前のバージョンでもPremiere ProでAfter Effectsのコンポジションを読む事ができましたが、修正点などがある場合After Effectsで開き直さなければなりませんでした。
新規のテキストレイヤーを作成します。
コンポジション>コンポジション設定>高度から「テンプレート」のチェックボックスをオンにします。
「テンプレート」のチェックボックスをオンに
Premiere Proで編集可能にしたくないテキストレイヤーはAfter Effects側でロックします。After EffectsコンポジションをPremiere Proにインポートし、エフェクトコントロールでテキストを打ち直す事ができます。
あくまでも「テンプレート」として読み込んだ状態なので、Premiere Proで変更した文字はAfter Effectsに反映されません。
PrとAEを同時に起動している場合はダイナミックリンクで動作し、AEで位置などを移動してから保存すると即Pr側に反映されます。

各エフェクトのコンポジットオプション

タイムラインの各エフェクトのプロパティにコンポジットオプションが追加されました。
従来の幾つかのエフェクトで存在していた不透明度の効果は「エフェクトの不透明度」として全てのエフェクトに付きます。
エフェクトの範囲を制限するマスクを複数追加する事ができ、境界のぼかしやマスクの拡張、反転、フェザリングなどを適用する事も出来ます。
コンポジットオプションで「エフェクトの不透明度」やエフェクトの範囲を制限するマスクを指定
レイヤーマスクとしてでは無く、エフェクトの範囲の制限が適用されているマスクには、名前の左側に青いFxのアイコンが表示されます。
このアイコンをクリックする事でタイムラインで適用されているエフェクトが展開されます。

Premiere Proからのマスクのインポート

After Effectsでマスクをトラッキングする
Premiere Proからマスクを含んだクリップをインポートすると、マスクはAfter Effectsのマスクに変換されます。
Premiere ProのマスクをAEのマスクに変換
この変換は、Premiere Proからのプロジェクトをインポート、After Effectsコンポジションに置き換え、クリップのコピー&ペーストなどあらゆる場面で動作します。
変換されたマスクには、マスク形状、境界のぼかし、不透明度、拡大、反転などのすべてのプロパティとキーフレームが含まれます。
また、Premiere Proでクロップエフェクト(ビデオエフェクト>トランスフォーム>クロップ)が適用されているクリップは、After Effectsのレイヤーにマスクとして変換されインポートされます。

トーンカーブエフェクトの自動調整とユーザーインタフェースの改善

トーンカーブの曲線を自動的に調整するには、、エフェクトコントロールパネルの曲線の下の[自動]ボタンをクリックします。
操作し易くなったトーンカーブエフェクト
曲線の上部にある3つのサイズ調整アイコンをクリックし、画面のサイズを調整できます。
チャンネルの表示がRGB、赤、緑、青、アルファで選択でき、それぞれ個別に動作します。
曲線がより滑らかに描画できるようになり、アイコンベースのボタンがテキストベースになりました。

CEPインフラストラクチャを使用したHTML5パネル

HTML5のパネルを使用するためのCEP(Common Extensibility Platform:共通拡張プラットフォーム)インフラストラクチャが含まれました。HTML、CSS、およびJavaScriptを使用出来る事に加え、After Effectsのスクリプトにアクセスする事が出来ます。
AE CC 2014でのHTML5パネルの開発導入 at AEP Project
KulerパネルもHTML5で実装されています。
Kulerパネル
ウインドウ>拡張機能から表示できます。

Typekitからフォントを追加するメニューコマンド

ファイルメニューの「Typekitからフォントを追加」コマンドからデフォルトのWebブラウザでTypekitのサイトをオープンし、フォントを追加できます。
Typekitとの連携

ソニーRAWフッテージのインポート(F5、F55、F65カメラのRAWファイル)

ソニー F5、F55、F65カメラからRAWファイルをインポートすることができます。
Premiere Proのプロジェクトをインポートするか、ダイナミックリンクを使用するなどの方法で読み込む事ができますが、Premiere Proのからクリップを転送する場合にはソースの設定は引き継がれません。

マーキュリートランスミットを使用した外部モニターでのビデオプレビュー

従来のQuickTimeベースとDirectShowベースの外部モニターのビデオプレビューが、Premiere Proと同様にマーキュリートランスミットベースに置き換わりました。
OSのコンポーネントに依存することなく動作するので、様々な問題が解決されます。
FireWireで接続されたDV機器、サードパーティ製のビデオハードウェア(例えば、AJA、Blackmagic、MatroxなどのI / Oデバイス)、ビデオディスプレイカードに接続されたコンピューターモニター(HDMI、DVI、VGA、ディスプレイポートなど)を接続する事ができます。
注:マーキュリートランスミットは、GPUアクセラレーションを使用しません。これはPremiere Proのマーキュリープレイバックエンジンとは異なる技術です。

マーキュリートランスミットでのプレビューを有効にするには

マーキュリートランスミットを使用した外部モニタープレビュー
環境設定>ビデオプレビュー…から「Mercury Transmitを有効にする」のチェックボックスをオンにします。
PCに接続されているビデオデバイス(AJA、Blackmagic、Matroxなど)を選択します。
接続されているPCモニターはAdobeモニターと表示されます。
(ミラーリングがオンの場合は表示されません。)
外部モニターへのプレビューは、ビューアーに表示されたコンポジション、レイヤー、またはフッテージが送信されます。
環境設定ダイアログを開かずにビデオプレビューのオンオフを行うにはテンキーのスラッシュ(/)キーを押します。MacBookのようなテンキーのないキーボードではCtr+Shift+ /を使用します。

ビデオプレビュー時のカラースペース

マーキュリートランスミットを使用した外部モニタービデオのプレビューは、Rec. 709カラースペースが適用されます。
プロジェクトの作業用スペースを選択すると、ビデオプレビューモニタに送信された画像は作業用スペースからRec. 709カラースペースに変換され、プロジェクト設定の作業用スペースをリニア化オプションが有効になっている場合は、イメージのガンマカーブがリニア化(gamma = 1.0)されます。

外部モニターへのプレビューでの注意点

セーフマージンやガイド、マスクのパス、およびエフェクトコントロールなどのオーバーレイはビデオプレビューモニターに送信されません。
倍率(ズーム、色とアルファチャンネル、透明度グリッド、ピクセルアスペクト比の補正、露出などのビューアの設定はビデオプレビューに影響しません。
目標範囲が有効になっているか、レイヤーパネルでマスクを見ている場合は、コンポジションのサイズに自動的にスケールアップされます。
目標範囲が有効になっていると自動的にスケールアップ
高速ドラフトプレビューモードではマウスボタンが離されたときにビデオのプレビュー画像が更新されます。
ワイヤーフレームプレビューモードでは、ビデオのプレビュー画像は更新されません。
レンダリング中のプレビューを無効にするには
環境設定>ビデオプレビュー…の「キュー出力のレンダリング中のビデオプレビュー」をオフにします。
アプリケーションを切り替えたときも常にプレビュー表示をしたい場合は
環境設定>ビデオプレビュー…の「バックグラウンド動作時のビデオ出力を無効にする」をオフにします。

サードパーティ製のビデオハードウェア

サードパーティ製のビデオハードウェアを使用する場合、対応したプラグインをインストールする必要があります。
AJA:AJAプレビュープラグインはマーキュリートランスミットと競合します。マーキュリートランスミットをオフにするか、AJAプレビュープラグイン(ウィンドウ> AJAプレビュー)を無効にします。
http://www.aja-jp.com
Blackmagic:Blackmagicのデバイスは、デバイスのサポートされているビデオモードが一致しない場合出力されません。ビデオモードのリストはBlackmagicのマニュアルを参照してください。
http://www.blackmagicdesign.com/jp
Bluefish444: 最新のドキュメントについては、Bluefish444のWebサイトを確認してください。
http://www.bluefish444.com
Matrox: 以前のドライバーをアンインストールしてMatroxデバイス用の最新のドライバをインストールします。
http://www.matrox.com/video/jp/support/

H.264、MPEG-2、WMV、FLV、F4V、およびSWFの書き出しの除去

After Effects CC の 2014 バージョンではFLV/F4V、MPEG-2、H.264、WMVなどの最終的な配信フォーマットに直接エクスポートすることはできません。
これらのファイルを書き出す場合、コンポジション>Adobe Media Encoder キューに追加し、Adobe Media Encoderを使用します。
もしくは書き出し先にAdobe Media Encoderの監視フォルダーを指定し、After Effectsでロスレスマスターファイルをレンダリングして最終的な配信フォーマットにエンコードします。

過去のバージョンでの保存

ファイル>別名で保存>CC(12)形式でコピーを保存が追加されています。
過去1バージョンしか戻れないので5.5に戻る時はCC2014>CC>CS6>5.5に保存と数回繰り返さなければなりません。
 
 
 
what’s new and changed in the 2014 update to After Effects CC
 
 
 

6 thoughts on “Adobe After Effects CC (2014) アップデートの新機能

  1. @U530 says:

    おぉぉ、なんだか魅力的な機能追加があるようだけど把握しきれん…。とりあえずPremiereとの連携はいつのまにかだいぶ実用的になってきましたね。 /Adobe After Effects CC (2014) アップデートの新機能 http://t.co/5f6C9ayDWD

  2. @kuboyam says:

    AE2014にしてから外部モニタでのプレビューがうまくできなくなってしまった。。。BlackMagicのドライバアップデートしてみたが….なにか信号受け取ってるっぽい反応するけど結局画面真っ暗なまま
    http://t.co/Q0MolP1BEO

  3. @OkinoWataya says:

    @reyhori CC2014の新機能でググった先>http://t.co/nBWANAt4SU とりあえず30分ほど時間絞ってMedia Encoder掘ってみます。何か呟けそうなネタがありましたら後ほど。

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