第4回 映像・技術交流会が開催されました。

8/3に映像・技術交流会が行われ、業界から撮影、編集、システムなど多方面にわたる17人の方々が集まりご参加頂きました。
 
交流会では、ここ1年での技術的進化や4Kの課題と問題点、情報の公開と共有化などのディスカッションが行われ、主な内容は…
 

既存メディア以外での映像利用

今までは主に映画、テレビ、パッケージなどでしか映像が利用されませんでしたが、ARやサイネージ、ストリーミングなど既存メディア以外での映像利用が多くされるようになりました。撮影を縦で行う事も多くなり、その場合、編集はどうするのか、スチルとムービーの解像度の違いなど技術的問題点が話し合われました。
 

新技術への対応

USB 3.0やThunderboltテクノロジーなど新しい技術に対応するためにはどうするかという問題点が話し合われました。新製品が出た時の検証を分担し、情報を公開、共有する事でより早くより深く知る事が出来ます。
 

ポストFCPの問題

FCPのままで行くのか、別に乗り換えるのかが話し合われ、Smokeか、Avidか、CS6かEdiusかFCPXか?Adobeや中間コーデックの問題も議題に上がります。ネットワークで共有し、編集して行くスタイルに変わるのでは…という見解もありました。
 

4Kとデジタルシネマの動向と利用法

現状まだ多くの問題があります。4Kで編集する場合、まだデータ量が多く重いのでプロキシや中間コーデックが必要になり、撮影の場合にも現場でモニタリングが出来ないなどの問題があります。さらにDITの重要性も挙げられました。放送がまだ無いので、素材としての利用価値しかないですが、Filmメディアのアーカイブとして利用する方法もあります。
 

F65と日本のプロダクツの問題点

F65のオプションが日本では有料です。また、いくつかのプログラムが海外のサイトからしかダウンロード出来ない問題点が挙げられました。
 

グレーディングの重要性

高解像度になればなるほどグレーディングが重要になってきます。RawやLogの素材も今後増え、益々グレーディングが必要になると思われます。カラリストからの直接の意見も伺えました。
 

ALEXAのメタデータ

ALEXAではカメラのティルト情報もメタデータで書き出す事が出来ます。ALEXAに限らないのですが、どこまでメタデータが必要なのか、CGや後加工も含め現場と話し合う必要があります。
 

教育の現場

始めて学生が参加し、教育での問題点が挙げられました。誰でも映像を撮影から編集、公開出来る時代になり、教育も変わる必要があるのかもしれません。
 

お金とワークフロー

「効率を上げよう」から、「安い物を作ろう」にシフトしているのではないか?という意見が出ました。確かに効率を上げる事は重要ですが、作品がそれに釣られてしまうのは問題があります。プロデューサーの技術的理解も必要になり、また、ProResのワークフローがベストなのか?という話題もありました。
 

情報の公開とドキュメント化

効率を上げるためには、誰でもわかるように情報を公開し、ドキュメント化する必要があります。確かにビジネスの優位性を保つためには情報を非公開にする必要があるかもしれませんが、誰でも知っておくべき情報は公開し、有効活用する事で時間のロスを無くす事が出来ます。情報が多くなるごとにこういうロスが次第に多くなります。
 

情報の発信の有用性

情報を公開し発信することのデメリットはあまりありません。ただ、情報が分散されてしまうので何処かポータル的な物が必要だという意見がありました。フォーラム等が必要なのかもしれませんが、あまり盛り上がらない経緯があります。
 

許諾の問題

デモリールや素材として利用する場合など、必ず許諾の問題が発生します。これらの問題と共に、自らがコンテンツを作る事で許諾の問題を少しでも解消出来ないかという話し合いが行われました。
 

テレビとネットの違い

テレビとネットのメディアの大きな違いは、プログラム(編成)出来るか、制作能力があるかです。大手の配信業者は自らが制作能力を持っている所があまりありません。かつ、常にコンスタントに発信し続ける必要があります。また、Webinor等も注目すべき点です。
 

ワークフローのテンプレート化

いくつかのワークフローはテンプレート化する必要があります。先ほど挙げた効率化の問題もそうですが、テンプレート化することで事前にミスを防ぐことができます。
 

課金の問題

インターネットで情報を提供する場合、必ず課金の問題が発生します。必ずしも情報が無償で提供される必要は無く、情報提供者に上手くお金が渡るシステムが必要です。今まではパッケージメディアでの販売が多く行われてきましたが、これからはすぐ買える、すぐ見れるシステムが必要なのかもしれません。
 

どう発信していくか。

現状は個人個人がTwitterやBlog、Facebookなどで発信して行くしか手段がありません。映像・技術交流会でもサイボウズ内で議論を行っていますが、一般公開はされていません。いかに発信していくかが今後の課題となります。
 
 
などが話し合われ、益々情報の公開と共有化が重要になって来ていると感じました。
 
 
 
経緯はこちらから。
映像技術交流会発足から1年経ちました。
 
 
 

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